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帝人・内川社長 ヘルスケア事業の固定費50億円削減 希少疾患・難病領域の医薬品導入で収益性改善狙う

公開日時 2023/02/09 04:49
帝人の内川哲茂社長は2月8日の記者会見で、予定した新中期経営計画の発表を急遽取りやめ、「帝人グループの収益性改善に向けた改革」を公表した。中計目標に掲げたROE、営業利益が3Q段階で大幅に下回り、抜本的な収益性改善が必須と判断した。課題事業の一つにはヘルスケアが含まれる。新たに示した収益改善計画では、「必要な機能別リソースをゼロベースで見直す」とし、2025年度の同事業の固定費削減目標を50億円と設定した。23年度中に目途をつける方針。さらに、目指すべき方向では、希少疾患・難病領域等の医薬品導入を先行させ、新規サービスや新医療機器によるパイプライン拡充を図る方針も明示した。

「Q2に続きQ3においても一時的な要因が重なった事情もあるが、過去50年の中で最も低い営業利益見通しになることが確定した。深刻な危機が来ているというふうに捉えている。この危機的状況を脱するためには足元をきちっと固めるということが最も重要である」-。内川社長は会見でこう説明し、新中期経営計画の発表を1年先送りしたことを明らかにした。

◎武田の糖尿病治療薬承継で「キャッシュ創出力強化」 一方で収益支えるパイプラインが不足


この日発表した課題事業は、①複合成形材料、②アラミド、③ヘルスケア―の3事業。このうちヘルスケアについては、地域包括ケア・埋込型医療機器・機能性食品が進捗したが、「十分な事業規模への育成には時間要する」と指摘。医薬品に関しては、武田薬品から糖尿病薬を販売承継したことで「キャッシュ創出力を強化した」としながらも、「将来の収益に資する製品パイプラインが不足した」ことで利益ある成長を描けなかったとしている。さらに在宅医療については、HOT (在宅酸素療法用酸素濃縮装置)、CPAP(持続陽圧呼吸療法用治療器)の国内トップシェアを維持する一方で新規製品・サービスの創出が未達だったことをあげた。

◎内川社長「希少疾患、難病の領域へ事業展開する方向性が見えてきた」

内川社長は会見で、「当社の強みを発揮できる領域として、希少疾患、難病の領域へ事業展開する方向性が見えてきた。早期にその方向への展開を目指しつつ、それに見合う事業体に転換するということが必要だ」と強調した。同時に、「固定費の削減にめどをつけたい」とも述べた。具体的な収益改善計画では、23年度から固定費削減に着手し、25年度には50億円の削減目標を達成する考えも明らかにした。

このほかグループ経営全体として、内川社長は、「外部環境の変化に対して、レジリエント(弾力性・柔軟性)に対応するためには、より経営判断、実行の迅速化が必要」と述べ、現状の執行役員・理事の合計30人を、執行役員15人体制に削減。理事も廃止する。事業運営機能についても、CEO 直轄のフラットな組織体制に見直すことで、本社による事業戦略・計画の立案やモニタリング力を強化すると述べた。
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