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医療データの利活用促進で「特別法制定」を提言 国際共同研究やグローバル治験の利活用視野 日本総研

公開日時 2023/02/10 04:52
東京大学の森田朗名誉教授が座長を務めるヘルスケアデジタル改革ラウンドテーブル(事務局:日本総研)は2月9日、「医療データの利活用促進に関する提言」を発表した。提言では、医療データの有効かつ適切な利活用の促進を図る「特別法」の制定を政府に求めた。欧州では2022年にEU域内の統合データによる真の単一市場の実現に向けて検討しているEHDS法案(European Health Data Space)を視野に、日本でも創薬開発や臨床研究で使用する電子ヘルスデータの二次利用の障壁を取り除くことで、国際的な臨床研究などに日本が立ち遅れないための制度化や環境整備に向けた議論の高まりを期待する内容を盛り込んだ。

「欧州域内も当然だが国際共同試験が行われる場合に、日本のデータが使えないと話にならない。データのクオリティや形態、個人情報保護という問題について制度化すべきである。これらが今回の提言に含まれていると理解いただきたい」-。記者会見に臨んだ森田座長はこう強調した。続けて、「それだけのクオリティのあるデータをきちっと集めるだけのプラットフォーム(基盤)がこの国に整っているかは別の問題だ。しかし、基盤の話と制度の話をバラバラにやっていたのではしょうがない。だからグランドデザインが必要なのだ」と主張。今回の提言では、筆頭項目に「グランドデザインの構築」を掲げ、個人の利権保護に配慮しつつ、医療の質向上、医学研究・医薬品開発等を目的とした制度を作るべきと提言した理由を説明した。

◎データの取得、保有、管理、加工、利用などは「入口規制から出口規制へ」


提言では、グランドデザインの構築以外に、「データ基盤の整備」、「データガバナンス実装」なども盛り込んでいる。特に、ガバナンスについてはデータ取得、保有、管理、加工のルール化を求める内容。森田座長は会見で、「入口規制から出口規制へ」の転換を図るべきとの認識を示し、「医療データの取得時の同意は不要(ないし包括的な同意)とし、データ利用を規制」する方向を明示した。加えて、データが医学研究や医薬品開発などに利活用(2次利用)されることから、「顕名情報、仮名加工情報、匿名加工情報、統計情報」を想定し、必要なルールや監督機関、データの加工提供を行う機関の設置などを求めた。

◎欧州EHDS法案 ルール調和で、デジタルヘルス製品とサービスの単一市場構築に貢献

なお、欧州のEHDS法案の検討は、当初2016年に制定された一般データ保護規則(GDPR)の加盟国内の不均一を解消し、電子ヘルスケアデータの2次利用に関する障壁を取り払うことを目的とした。欧州域内のルールを調和させることで、デジタルヘルス製品とサービスの単一市場構築に貢献し、ヘルスケアシステムの効率化を高める狙いを込めている。奇しくも新型コロナのパンデミックの時期とも重なり、コロナ患者の電子健康データを加盟国間で共有するなどの措置も実施されるなど、社会的背景もデータの利活用に対する意識づけの一助となったという。

◎森田座長「(創薬研究など)国際標準の仕組みにしましょう」声を大にして言わないといけない

森田座長は会見で、日本の電子ヘルスデータがグローバルレベルの創薬研究や臨床研究に利活用される必要性を認めた上で、「現在のところ日本は非常にデータが使いにくい。治験コストもかかる。日本の主要な製薬メーカーの海外シフトはかなり進んでいる。国際標準の仕組みにつながる基盤にしましょうということは声を大にして言わなければならないところだと思う。こういう場があれば言いたいです」と述べ、提言の実現に強い意欲を示した。


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