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【有識者検討会 4月4日 その1 発言要旨 積み残しの論点等について 医薬品の安定供給、患者団体】

公開日時 2023/04/05 07:50
厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の11回目の会合が4月4日に開催された。この日は、過去の有識者検討会において積み残しとなった論点について議論した。その前半(その1)は、医薬品の安定供給と患者会に行ったヒアリング結果についてディスカッションが行われた。本誌は有識者検討会の構成員による議論の発言要旨を公開する。

遠藤座長:本日はこれまでの議論の中で積み残しの論点について議論する。まず、医薬品の安定供給と患者会からのヒアリング結果について意見、質問を頂きたい。はい、香取構成員どうぞ。

香取構成員:ありがとうございます。そろそろまとめに入っているので、ちょっと細かいことも含めて発言をしたい。資料に沿って話したいと思う。これは資料38ページの「これまでの意見の整理(論点)」とも関係するのだが、やはり後発品の話は安定供給に直接かかわるものだ。この話はこれまでの議論の中で色々な論点が出てきたところ。これは後で話すが、後発品の話は既存の薬の改定方式とあわせて、一つ論点として立てる必要があるのではないか。

まず規格揃えの話だが、要は全体として当該薬効成分について、必要なボリュームと必要な規格が提供されることが必要だというふうに考えるということだと思うが、今のやり方だと全てのメーカーに全ての規格を揃えて生産するよう求めている。この時に共同開発をセットで認めたわけで、セットで認めた理由は恐らくこれがあったからだと思う。しかし、共同開発で何が起こったかは前回からの議論でもあったように、このこと自体が実は安定供給について、ちょっと問題があるのではないか。つまり個別メーカーの対応というよりは、それぞれの薬効の市場規模なり、それぞれの中でどういう形で全体として安定供給をさせるかというふうにちょっと考え方を変えないといけない気がする。つまり全体として(規格が)確保されていればいいのではないかということがあるのではないかと思う。

次にその後発品の薬価算定の話だが、これは聞けば聞くほど、どこが市場実勢価格で値段を決めているのかという気がする。元々これは先発品と同じ金額で参入させたが、最初の薬価収載後に無茶苦茶な薬価差が出るので、ものすごい買い叩きが起こったのだろうと思う。このような競争をやっていれば、価格はばらけるに決まっている訳で、いまの薬価制度がそういう競争をさせている訳だ。そのばらけた価格を3段階に集めているが、その集め方もルールがある訳でなく、結構、恣意的に集めていて、(薬価が)上がったり下がったりすると絶対上がらないように調整をするという、これまた非常に恣意的なことをやっている。

ある意味、入り口の仕組みや仕掛けがそうなっていることで、こういうことが起こっている。これが市場競争や価格形成を歪める形になっているのではないか。そう考えていくと、一番下(の価格)を統一名収載で支えることは、長期にわたって安定的に供給する後発品という観点から20年も30年も使っている抗菌剤みたいなもので良いと思うが、やはりこれも言ってみれば薬価制度の中でパッチワークをやった結果なので、やはりこういうところも基本的に見直さないといけない。合理性がないという意味でメーカー側からすると全く予見可能性がない。極めて恣意的な感じがする。

ここからは質問だが資料11ページ「先発品企業から後発品企業への製造引き継ぎについて」ですが、いわゆるAGは「先発品企業から後発品企業への承継」ということになるのか。そこら辺の整理を教えていただきたい。それと、先発品と後発品のコスト構造の違いというところで、販管費の中身を教えて欲しい。例えば先発品企業の場合はMRってことか。これ相似形で製造原価を同じ形にすると後発品の薬価って大体半分ぐらいになるかと思う。

それと資料13ページ「医薬品卸における価格交渉の状況」のところで、先ほど総価の説明があったが、きちんと議論した方がいいのではないかと思う。というのは、「総価交渉は全ての品目について一律値引きで交渉が行われる場合」、「メーカー別や商品カテゴリー別の値引き率で交渉が行われる場合」、「合計値引き率や合計値引き額などの総価の要素を用いて調整をされる場合」と書いてあるが、実際の取引の中で、一体どういう交渉が行われているのか詳らかにする必要があるのではないか。私の知る限り、これは聞いた話だが、通常医薬品の取引はボリュームを決めないで取り引きしているのが一般的であるという。

つまり、「値引率」だけで交渉して、契約上の「ボリューム」を決めないで交渉している。一応暗黙の中で前年度のボリュームがあって、そこが想定されているわけだが、それを前提に全体としてどれぐらいの薬価差益が出るかっていうのを額で抑えて、それで総価を決めて個別単価を決めていく。そうすると何が起こるかというと、例えば新薬のような割と大きめの薬価差を想定していた薬があまり使われないと、全体としてボリュームが出ないということになる。そもそもボリュームについて契約をしてないので、事後的にその価格を調整して、また価格を量的に変える。あるいは医薬品が使用されずに余ると、医薬品卸に引き取らせることもある。

通常であれば、値段はそのボリュームとのセットで決まるわけだ。沢山買うところは安くなるが、実際はそうなってなくて、ボリュームを決めないで交渉している。

ここからは質問だが、総価取引と単品総価は何が違うのか。

実は今の話が関係してくるのだと思う。現実に他の商品と比べても、相当特殊な取引が行われていて、その歪みがいろんな形であちこちに出ている。総価といっても今の話で、いわゆる総価取引と単品総価は多分意味が違うのだと思う。そういうことを頭において価格交渉代行業者について考えると、交渉代行業者はボリュームがない中で薬価差だけで交渉して契約をしている。この人たちは、結局、自分の成功報酬のことを考えれば、薬価差だけで交渉代行することになるのだと思う。総価と代行業者の組み合わせで、その現場で何が起こるかを考えると、やはりこの問題はもうちょっときちんと実態を踏まえて詰める必要がある。

交渉代行業者のところに書いてあるが、彼らは成功報酬で動いているわけだ。成功報酬とは要するにどれだけ数が出たか、その歩合で決まるわけなので、こういう形での取引を前提にこういうことをやればどうなるか。代行そのものは法律上どうかっていう議論があり、駄目かって言えるかどうかって話はある。一方で卸が協働すると公取委に捕まるのに対し、買い手側が談合しても別に公取委は捕まらないってよくわからない構造になっていて、やはりこの辺もちょっと考える必要があるのではないか。流通の問題、それから価格形成というか、これは流改懇での議論なのかもしれないが、後発品の問題はもう産業構造の問題と関係してくるので、すぐに結論が出る問題ではないかもしれないが、きちんと論点を立てて議論する必要があるのではないか。流通の問題も少し深堀できる論点を少し整理していただければと思う。

患者会のヒアリングについては、いちいちごもっともという気がする。これはきちんと踏まえた報告書の中に盛り込んでいかなければというふうに思う。長くなりましたが以上です。

遠藤座長:はい、ありがとうございます。事務局にお尋ねがありました。何かコメントがあればいただければと思います。

事務局:ご質問ありがとうございます。一つ目の質問で資料11ページの「先発品企業から後発品企業への製造引き継ぎについて」で、AGがどこに含まれるのかという質問です。AGにつきましては別ということになります。AGは先発品の承認はそのまま同じデータを使いつつ、別の後発医薬品を承認申請するというのがAGでございます。この両方のカテゴリーには含まれず別の扱いということになるというふうに考えております。

もう1点、資料12ページの「先発品と後発品のコスト構造の違い」に関しまして、先発品企業の販管費にどんな費用は含まれるのかということでございますけれども、この点につきましては指摘いただきました通り、MRの活動費用、いわゆる情報提供活動費用などが含まれるということになります。以上でございます。

香取構成員:そうすると、例えば先発品から後発品に完全承継したものって何が違うのか。製造するメーカーが違うっていうことですかね。だけど移すときに、それこそ工場ごと渡すこともあるわけですよね。そうするとその確かに会社は変わりますけども、物としては同じものが登場することになるので、AGの定義が曖昧っていうか、そもそもそういう概念っているのかっていう気もする。これ私の感想ですけど、ご検討ください。

遠藤座長:審議官どうぞ。

城審議官:定義はそもそもないのですが、実態として先発品のデータをそのまま使って別会社が同じ製品をジェネリックとして製造している場合と、そうではなく権利を別途取得し、別にデータを取得してやっている場合があります。そのままのデータで、いわゆる小分けみたいな形で販売しているようなものであれば、子会社の方が自社のデータとして持っているので、こういう形とは違いますが、同じデータを多分持っているであろうということだと思います。よって別会社ですので、別だというのが基本の形になります。

事務局:補足をさせていただきます。承継につきましては承認自体そのままという位置づけになりますので、先発品企業から後発品企業に承認を移した場合でも、品目自体は先発品のままという扱いになります。ですので、上の方(先発品企業から後発品企業への承継)の場合ですと後発品企業が先発品を製造販売するという形になります。AGの場合は後発品として承認を取り直す形になりますので、後発品という扱いになるところでございます。

安藤課長:もう一点、ご質問ありました流通に関するところでございます。資料13ページ、14ページです。香取構成員から、実際の価格交渉ということを踏まえた意見があったというふうに承知しております。確かに指摘いただきましたように、医療用医薬品は薬価がありますので、そういう意味で値引率だけで価格交渉ができるケースがあるというふうに承知している。そういった中で指摘ありましたように、一方で予定数量が当初予定したものから大きく乖離したことに伴って当初期待していた薬価差の薬価差率ですとか薬価差の額が必ずしも得られない場合に、それを埋めるための単価の変更というものが再び行われるということも流通現場の実態としてあると聞いている。

この問題につきましては我々も課題としてしっかり受けとめさせていただいて、今後作成する報告書にも問題提起をさせていただきたいと思う。その上で本日、三村構成員もいらっしゃいますけども、まさに流通の課題だと思いますので、流改懇という場がありますので、実態把握も我々の方でさせていただいた上で問題提起をさせていただき、関係者の方々と議論させていただきたいと考えている。

遠藤座長:香取構成員よろしいですか。

香取構成員:繰り返しになるが、その流通の実態を前提に価格代行業者が成功報酬で代行交渉すると何が起こるか、結局ボリュームとかって取引条件で交渉してるわけではなく、単に薬価だけで交渉することになれば何が起こるかといえば、単純にベンチマーク持ってきてそれで叩くっていうことになるわけですよね。そうするとそれがいけないのかっていうか、おそらく禁止してもなくならないだろうし、代行とか共同購入自体は禁止できないので、そうするとこれはそもそもの価格形成っていうか薬価制度そのものに起因する部分がかなりあって、やはり今の薬価の改定方式をきちんと根っこから見直さないと綺麗にならないっていうことになるかと思う。

もちろん流通当事者のコンプライアンスとかそういう問題もありますが、やはりちょっとそこはそうしないとこれは卸側にも問題があるでしょうし、医療機関に問題があるわけですが、ちょっとかなり根深い問題だと思うので、ここでやる議論ではないのかもしれませんが、やっぱりきっちりやらないといけないと思うのでぜひよろしくお願いします。

遠藤座長:はい、ありがとうございました。それでは他いかがでしょう。成川構成員お願いします。

成川構成員:医薬品安定供給について1点、患者会からのヒアリングについて1点コメントを述べさせていただく。まず安定供給は後発品が主ですが、私の認識としては後発品の安定供給やビジネスモデルの問題は、薬価の初期の値付けの問題よりも改定の影響の方が大きいのではないかという認識です。そういう意味で本日紹介のあった3価格帯というルールは、元々医療従事者から同じ後発品なのに沢山の価格があって説明できないという議論があって設けられたと認識している。そういう背景があったと認識しつつも今後、後発品の数や企業数が集約されてくるのであれば、銘柄ごとの算定に戻すという大きな流れを考えるべきではないか。あるいは既に現時点でも例えば、いわゆる優良企業に対して銘柄改定するという選択肢なんかもあるのかなというふうに思っている。意見として述べさせていただいた。それが一点です。

患者会のヒアリングについてご報告いただいてありがとうございました。薬事制度的なコメントなってしまうが、以前に行った企業からのヒアリングのときにも日本のオーファンドラッグ制度についていろいろ改善のご要望があった。そこで、欧米における件数を調べてみた。アメリカは一番歴史が古く、6500件ぐらい指定されていた。一方で日本はその10分の1の600件弱ぐらい。EUは日本よりも後にオーファンドラッグ制度を作っていたのだが、すでに2000件ぐらい指定されていた。

単に指定数だけで議論できないかもしれないが、もう少し門戸を広げるか指定のタイミングを早めるというふうな運用の問題かもしれないが、こういったことをやると企業の方々にとっても何か明るい材料になるのかなというふうに思った。それと類似した話で、小児の医薬品についてもオーファンドラッグと似たようなことになるが、さらに小児の場合は臨床試験がやりにくいというのはご案内の通りですし、あとは小児用の特殊な製剤はコストがかかるということもあるので、世に出したとしても採算が取れないという状況だ。日本でも小児医薬品の開発を促すために薬事的なルールで再審査期間のデータ保護期間を伸ばしたり、薬価で加算制度を設けたり、あるいは最近ですと法律改正をして特定用途医薬品指定制度というものを作って小児の開発を促す努力はしている。しかし、なかなか十分には活用されていない。もう少し強いインセンティブや強制力を考えないと小児用医薬品の世界でも日本に薬が入ってこないというふうな状況がさらに拡大するのではないかというふうに思っている。そのあたり、優遇措置というか、対外的な新しいインセンティブというか、アピールするようなことも含めて、何か政策を考え打った方が良いのではないかというのが意見です。以上です。

遠藤座長:はい、どうもありがとうございました。特にジェネリックについては薬価改定への問題点のご指摘、あるいはオーファンドラッグや小児の医薬品については薬事の問題、さらにはおそらく薬価の問題もあるかと思いますが、ご指摘をいただきました。何か事務局コメントございますか。私はなるほどというふうに思ってお聞きしましたけれども、よろしいですか。それでは小黒構成員お願いします。

小黒構成員:ありがとうございます。患者会のところだけコメントさせてください。ヒアリングいただきましてありがとうございます。改めて再認識した。例えば資料19ページの日本難病・疾病団体協議会(JPA)ですね。ドラッグラグ、ドラッグロスの課題感について、そのネックになっているものを患者会の方々もよく理解されているというふうに思った。例えば製薬企業は新薬を出していかないと衰退して生き残れないものであり、収益の柱がなければ次の投資ができないと思うというような話、あるいはこの有識者検討会でも出ていましたが、難病ではまだないという話ですが、ドラッグロスが発生する可能性が高いと言われていることについて、彼らもよく認識していると思う。

それから資料16ページ目の「日本希少がん患者会ネットワーク」のところでも、ドラッグラグ・ドラッグロスの課題感について、いくつか要因はあるのだが一番に薬価制度の問題を挙げていて、これが薬価の予見性が低いことや、薬価改定で薬価が下がってことが要因だと、はっきり言っている。全部薬価制度だけの問題ではないと思うが、やはりここをちゃんと対応していかないと迅速に医薬品が必要な人に届かないということを彼らが認識しているということではないかというふうに思う。

あと質問ですが、疾患ごとの患者数がわからないと指摘されている。私が思うに米国とか他国ではある程度データが出ていると思うが、日本だと十分なデータが出てないということなのか?

遠藤座長:これは事務局どうぞ。

事務局:ご指摘ありがとうございます。指摘の通りでございまして、当然疾患の種類にもよるとは考えられるのですが、今回ヒアリングをさせていただきました希少がんや難病の患者さんの場合ですと、マイナーな疾患になればなるほど情報が少なく、患者数の把握も難しい。その結果として企業が参入する場合に売り上げがどの程度見込めるのか、予見可能性がどのようにあるのかというところが、企業側からすると見込みが立ちにくいといった点をご指摘いただいているものと考えております。

小黒構成員:そういう意味では資料19ページ目のところにあるように、患者側も含めて関係者全員に考える場を急いで作る必要があるのではないか。今も審議会とか、そういうところに患者代表者が入られたりしている。やはりこの制度の質を高めてグレードアップしていくためにはもうちょっと違った仕組みを考えていく必要があるのではないかと改めて思った。今日のテーマではないかもしれませんけども、その辺も何か今後検討していく必要があるのかなと思います。

遠藤座長:ありがとうございます。ちょっと私から確認ですが、希少疾患の患者数というのは基本的には学会ベースで集約が行われているという理解ですか。少なくとも厚労省は特段、定期的に集めていないですよね。やるとすれば学会に聞いているっていうことじゃないかな。よくわからないですが、その患者数の主体がどこにあるのか。がんは登録制になっていますから、これは問題ないのですけれども、希少疾患の場合はどうなっているのか。

安藤課長:私が把握している限りで申し上げますと、いわゆる助成制度があるものについては患者者数を把握できているところもあるが、全ての難病が助成の対象になっているわけではございませんので、そういったものから外れてしまうと、いま議論のあったように学会ベースで患者数を把握するか、あるいは全く情報がないかっていう形になっているというふうに承知している。この会議でもまさにベンチャーのヒアリングを行ったときに同じ問題が指摘されている。部分的に把握できるところもあるが、全く手つかずというところもあり、そういったところは患者会との関係性を深めて情報を得るなどの工夫が必要なのではないかと思う。

小黒構成員:そういう意味で先ほど成川構成員からオーファンドラッグ指定の話があったが、単に指定をするだけでなく、資料17ページの患者の声もあるが、価値に見合った薬価をどう作っていくのかとか、その辺も含めた総合的に対応していくっていうことが求められているのかと思う。

遠藤座長;患者会の話が出ましたので私の知っている限りのコメントさせていただきます。確かに小黒構成員の発言のように各審議会や検討会に患者会の方が委員となるケースが非常に増えている。大きな審議会には必ず入っていると言っても間違いない。問題は患者会の属性でありまして、特定の疾患に関する患者会が当然いっぱいあるわけで、その集合体がここにあるようなわけですけれども、例えば“がん”については、がん対策がありますので、そこには患者会から大きな影響力を持った方がいっぱい入っておられます。けれども例えば医療部会とか医療保険部会という医療全般のことをやるときに、果たして特定疾患の患者さんの意見というのが患者さんにとってみても適切な反応になっていないし、元々審議会が求めるテーマに対しても適切なご意見がいただけるかどうかっていうところもあるわけです。

従いまして結果的にはそういうところに出てくる審議会の患者会の方々というのは、広く患者の動向をどうあるべきかみたいなことをやる人たちが多くなってしまいますので、確かに希少疾患の患者さんは、その特定テーマについて参考人として呼ばれることはあっても委員として出ることが少ないという傾向はあるかもしれません。私もいろんな審議会に出席していますので、そんな印象を持ったものですから一言コメントさせていただきます。

小黒構成員:すいません。これで終わりにしますが、この検討会自体の目的が医薬品の迅速かつ安定供給について、これは誰のためのものなのかっていうふうに考えたときに、やはり供給者サイドではなく、財政的な制約も当然あるので重要なのですけども、やはり国民である患者ではないか。その人たちに横断的に見た場合にどういうところがネックになっているのか、その一例として例えば薬価制度であったり、価値に見合った薬価算定とかそういう話も出てきている。やはりその視点はきちっと考えていくということが求められているのではないか。

遠藤座長:極めて重要なご指摘だと思います。したがいまして、先ほどの言った理由で直接審議会などには参加できないような声をいかにうまく吸収していくかという、そういう仕組み作りは大変重要だと思いご検討いただければと思います。他にいかがでしょうか?堀構成員お願いします

堀構成員:2点あります。まず1点目は、いまの患者会のことです。ヒアリングした2団体はどういう理由で選定したのか教えていただきたい。なぜかというと、今の代表性の話もありましたけど、患者国民の意見を反映させることは大賛成ですけど、この2団体を選ばれたのは、その先ほど小黒構成員がおっしゃったように安定確保というところに関係しそうな疾患の患者団体とか、ユーザーというよりは共同開発のパートナーというような意味で選定されているっていうふうにも思ってしまいました。そうでなければ普通の患者がいても他にもいろいろな種類があると思いますし、あと全体として日本にどれくらいの患者団体があって、ほかの国と比べてどういう特徴があるのかって、このヒアリングの中にも書いてありましたけど、自分たち自身もユーザーとしてなかなか育ててうまくできてないみたいなことが書かれていたと思いますので、現状がどうなっているのか、代表性が保たれているかどうかっていうのと、現状はどうなっているのか、もし何かデータがあれば教えていただければと思うのですが可能でしょうか?

もう一つは積み残しの論点についてなんですが、先にお話してもよろしいでしょうか?積み残しの論点について香取構成員が発言されたことと関係するのですが、これを一つ一つ見ると確かに薬局方についても問題があると思いますし、国際調和であるとか全規格揃えの必要性もあがっているのですけど、これを議論していくと、この有識者検討会も今月から来月で終わりますし、ゴールがあるのでどんどん問題が増えてしまう。その後の対策の解決には繋がらないのではないか。優先順位といいますか、この有識者検討会でしか見られないところを優先していく必要があるように思う。その見通しのようなものが事務局の方にあるのなら教えて頂きたい。

遠藤座長:はい、ありがとうございます。事務局よろしくお願いします。

事務局:ご質問ありがとうございます。1点目でございます。患者会の選定理由につきましては様々な理由で設定させていただいている。限られた時間でこのヒアリングをさせていただくことになったことがあり、その中でできるだけ多くの幅広いご意見をいただきたいということで設定させていただいた。2つの患者会ともいずれも個別の小さい患者会の連合体的な組織でして、この希少がん患者会ネットワークの下にはそれぞれの疾患の種類ごとに患者会がある。難病の方も同じように個別の難病の患者会の集まりということ。両団体とも非常に幅広い多くの患者さんがこのネットワークの下にいらっしゃるという組織を選ばせていただいた。

希少がん、難病ともそれぞれの疾患ごとに見れば患者数が少ない傾向にあるということでドラッグロス、ドラッグラグの影響を受けている可能性が比較的高いのではないかということも考慮させていただいた。また海外との比較の中で、日本の患者会がどのぐらい規模があってという全体的な情報につきまして申し訳ございません、手元に情報がないので、お答えができない状態でございます。

安藤課長:2点目の質問にお答えします。本日は個別の課題が大量に出てきてしまって大変恐縮でございます。ある意味前回までのところで大きな枠組みとしての課題については様々ご意見を頂いたという認識でありまして、前回までの間に委員の方々から様々ご指摘いただいたことについて、ちょっとまとめの全体の中に入らなかったものについて個別にご提示させていただいて、ご意見をいただいているというのが整理でございます。

その上で当然のことながらこの検討会だけで全てが決まるということではなく、大きな方向性については、まさにここで検討いただきたいと思っておりますけども、その上でそれぞれ政策を決める場というのは別途出てきますので、これは薬事、これは薬価とか、それぞれに応じていろいろ分かれていきますが、そういったところで最終的に政策としてどう具体化するかについて決まっていくと考えているところです。

遠藤座長:ありがとうございます。堀構成員よろしいですか。

堀構成員:要は総合対策というものと個別の具体的な縦割りで行う対策は多分違うと思っていたので、先ほどの流改懇の話ありましたけど、ここでしかできないことは何だっていうところがこの有識者検討会に最終的に出せるというふうに解釈してよろしいでしょうか?

遠藤座長:安藤課長どうぞ。

安藤課長:すいません。ちょっと語弊があるかもしれません。先ほど小黒構成員も発言したように、特に先発品、革新的新薬の迅速導入をどうするか、それから後発品を中心として安定供給をどうするか、という二つの課題が、いままさに足元で顕在化していて、これに対しては各論で議論していてもなかなか解決策が出ないので、そういう意味で総合的にここの場では検討いただくことが必要だろうということで、今日まで様々な課題について議論いただききたという整理でございます。

そこで、この二つの命題に対する大きな解決の方向性というものについては、次回以降、有識者検討会の報告書という形で一定の取りまとめを行っていただいた上で、先ほど申し上げましたように、実際の個々の政策においてはそれぞれまた司がございますので、その場で改めて議論をいただくという段取りで考えているところでございます。

堀構成員:わかりました。

遠藤座長:はい、ありがとうございます。それではお待たせいたしました。三浦構成員どうぞ。

三浦構成員:どうもありがとうございます。資料13ページ「医薬品卸における価格交渉の状況」において単品単価の話があった。そこに書いてあるように交渉段階と妥結段階がありまして、先程、香取構成員が言われましたように、今年10%引きだったら来年も10%引きにしてくれとか、12%引きにしてくれとか、総価としてまとめて交渉するのですけれども、最終的には妥結段階が単品になる。したがって資料13ページにあるように、3番「単品総価取引」(交渉段階:総価交渉、妥結段階:単品単価契約)、4番「単品総価取引」(交渉段階:総価交渉・除外あり、妥結段階:単品単価契約)となる。

つまり交渉は総価でまとめて10%引きとか適当に入っていて、ただ最終的には単品単価に落としていくので、そういう意味では卸さんはすごく大変だと思うんですけれども、交渉は全体でいくらにしてくれという話になって、最終的には未妥結減算制度などもあるので、最終的には完全に落とすという感じで3番、4番にする。したがって交渉は全体でやるが最終は単品で決まる。単品総価と言われているが、順番が逆で恐縮ですが、総価交渉して単品で妥結するというのが多くて、割と大手調剤チェーンなど10店舗以上とかが、かなり高い小売りマージンや薬価差、小売り段階でのマージンを取っている。

次に価格交渉代行業者が出てくる。この点に関しては2点考えていただければありがたい。価格交渉代行の問題点として値下げ圧力っていう話があるわけですが、これは価格交渉代行業者に限った話ではなくて、大手調剤チェーンですとか、調剤部門を持っている大手チェーンも全く同じことをやっている。バイイングパワーに基づいて価格交渉し、言葉は悪いのですが安く買い叩くことをされている。そういった意味では価格交渉代行業者だけではなくて、あと医療機関のコンサルする会社あるわけですけれども、そういった会社だけではなくて、大手のチェーンも同じようにバイイングパワーでやっている。

ただ。私の感覚としては、基本的にはもちろん最後が薬価っていう話があるわけですけれども、バイイングパワーでやるっていうのは全ての業界である話なわけですので、問題点は何かというと前回申し上げましたようにやっぱり薬価差や小売りマージンを取りすぎていらっしゃるわけですよね。それに関しましてはデロイトや、くすり未来塾が(ヒアリングで)言われたみたいな話しで、それをどう圧縮するかっていうのを考えていく必要があるかと思います。

もう1点は総価交渉、さっきの言葉で単品総価という話ですけれども、それに関しましては、1回目のときに申し上げましたのですがメディカルシステムネットワーク(MSNW)という価格交渉代行業者の大手が5つぐらいありますけれども、その一つは単品単価でやっているわけですね。従ってバイイングパワーを使っているのはよくないかもしれませんけど、単品単価をやって流通近代化をやっているっていう意味では多分いい会社だと思います。あと大手調剤チェーンでもクラフトという会社は単品単価をやられているわけですね。そういう考えますとバイイングパワーをモノを言わせてやってることに関しましては、薬価差をどうするかっていう議論をやっぱり進めていくことが必要ですけれども、その一方で、その薬価差をたくさんとるということをさらに大きくさしている単品総価交渉というのが問題点なわけです。単品単価をやっている会社については、前回も話がありましたように、インセンティブとディスインセンティブみたいな話でそういったことをしていただくことが必要ではないかという感じがしております。

そういった意味では、価格交渉代行業者だけではなくて、大手調剤チェーンですとか調整部門であるドラッグチェーンなどもそういったバイイングパワーを使っているわけですが、単品単価でないというところがやっぱり流通ガイドラインあってないという問題点がありますので、そういったことをしていくことが必要ではないかと思っております。以上です。

遠藤座長:どうもありがとうございました特段、事務局からのレスポンスは不要ですね。はい三村構成員お願いします。

三村構成員:安藤課長の方からも最終的には流改懇での議論が必要だということでありましたので、そのことを踏まえて、いま詳細につきましてはさらに取引改善と流通ガイドラインをさらに厳格化する形で広げていただきたいと思います。ただ、この場でぜひお願いしたいのは、何故このような曖昧な取引が温存されてきたのか。それやはり現行の薬価制度のあり方そのものに原因があると思っている。その結果、今回におきましては、やはり特許薬と非特許薬、あるいは新薬創出等加算についてはきちんとした薬価改定方式を変えるということ、あるいはその方向性を基本的に議論していただいております。

後発薬につきましても基礎的医薬品とか安定確保医薬品という大変重要性の高い医薬品については、従来的な価格交渉から外すべきだという形の中でも作っていただいています。さらに残りの後発薬どうするかっていうことについては、非常に難しいと思うんですけれども、先ほどお話ございましたように、基本的には例えば全規格取り揃えについて、例えば最初1社だったものが、10社、15社になっても全規格取り揃える。そうすると何が起こっているかっていうと品目数が膨大になってくる。そしてその中で恐らく供給されてない品目もあるかもしれないという状況が起こる。

ですから、私は後発薬全体として品目数の適正化、それからその分野におきましての状況が相当違うと思いますから、それに合わせた形でもう少しきめ細かい政策やっていただく必要があるんじゃないかと思っている。後発薬の問題については正直言うと非常に情報が少なくて、医薬品卸から話を聞いてもよくわからないところがある。ただ、非常に重要な医薬品であるとともに、非常に問題が複雑なってきた感じがしますので、それを含みますとやはり検討が必要であるという形の中で今回の有識者検討会の報告書中に入れていただければいいのではないかというふうに思っております。以上です。

遠藤座長:はい、どうもありがとうございました。では、坂巻構成員お願いします。

坂巻構成員:残された論点が幾つあるか分からないのですが、ちょっと多めに発言すると思います。まず日本薬局方の中に、バイオ医薬品生物学的製剤ってどういう扱いになってますでしょうか?あんまりその薬局法で生物学的製剤はなじまないようなイメージを持ったのです。なんでこんなこと質問するかっていうと、そのバイオシミラーの開発に関して、欧米をみますと、開発について簡便化しようといった議論が進んでいます。例えばアメリカですとBsUFA(Biosimilar User Fee Amendments)というような法律があって、その中で開発を簡便化しようといった議論があります。バイオシミラーの国際的な標準化について考えてほしいということです。これが1点目です。

2番目の全規格揃えですけど、これも何回もお話ありましたけども、当初ですねこれ先発品が後発品から市場を奪うために、無駄に一杯規格を作って、また厚労省はそれを全規格揃えるというようなことをしてきたわけですよね。現状どうなっているか調べた方がいいと思うのですけども、現状ジェネリック医薬品を中心に供給不足が起きています。そうするとですね、ある規格の例えば10mgの錠剤がないと、それに対して例えば5mg錠を2つ出すとか、あるいは20mg錠を割って出すとか、現状ではこの規格揃えがむしろ供給不足に対する他バッファーになっている部分もあります。

おそらくジェネリックメーカーにいくと、今は規格揃えはそんな大きな問題じゃないよって答えが返ってくると思うのですね。これもやはり同じ問題はバイオシミラーであって、バイオシミラーに関しては規格揃えが重荷になっている。一方で注射薬に関しては返品がききませんので不良在庫になるリスクがある。よってバイオシミラーのことを踏まえて全規格揃えに関しては見直しをした方がいいというふうに思う。

それから薬価算定に関しては既に成川構成員からお話があったので、繰り返しになりますけども、これも実は私が中医協に参考人として出席したときに導入された仕組みで、今からこういうことに怒られちゃいますけども。そもそもこれジェネリック薬品の品目数が多すぎるから集約するための方策として、薬価を3価格帯にした。誰が考えたって、これでその品目数が減ることになるのだろうかって疑問を感じますよね。で、大きな問題はその品目数がどうかっていうことも、先ほどから発言があるように、これによって流通が歪んじゃった部分があるわけですよ。

ですから、堀構成員からこの場でしか議論できないって話ありましたけども、まさにこれは薬価制度とか流通に影響を与えた大きな問題ですので、この場でやっぱり議論すべきことだというふうに思います。結論的には、先ほどの成川構成員が発言したように、特定の企業についての評価をするっていうことを考えれば、3価格帯は見直して銘柄別に戻すべきだというふうに私は考えております。

それから資料11ページ目の「先発品企業から後発品企業への製造引き継ぎについて」ですけども、一応これもルールとしてはこの通りだと思うんですけども、実態としては各社によってかなりデータその他の引き継ぎについてばらつきがあるというふうに聞いています。ここはもう実態がどうなっているかということをきちんと把握した上で、例えば厚労科研などを使って、製造引き継ぎのガイドラインを設計するということ提案して頂ければと考えている。

それから最後のところの価格交渉の話ですけども、価格交渉代行業者の話だけでなく、今その価格の形成が非常にこの不透明化していて、例えばメーカーが直接価格交渉している。こちらデータとしてはまだ公表できない段階だと思うんですけども、実際に産情課の調査で企業がどのくらいその直接交渉しているかっていうことを調査している。まだ結果を公表できないのですが。かなりのジェネリックメーカーに関して直接やっているわけですね。こういったことがその価格形成にどういう影響を与えているのか。最初に香取構成員から発言がありましたけど、もう少しきちんと流通の状況について把握することが必要です。

その上で、なんでこんな交渉が起こるのか。つまりヨーロッパでは一般的に価格を決めて料も決める。これは一般的な価格交渉である。これは香取構成員のご指摘の通りなのですが、日本は価格だけ決めている。要するに、これまではどれくらい供給するか、供給量に関して全くその裏づけがあろうがなかろうがとにかく日本全体では薬が足りなくなるっていうことが起きないから、価格だけの交渉に成り立ってきたわけですよ。

その結果、先ほど申し上げましたけども、メーカーは本当に供給できるかどうかに関係なく仮に供給できなくなったら他の会社が供給してくれるからということで値段だけ決めてきたっていう仕組みだったわけです。だけども、いま起きている問題があるからではないのだが、やはりその供給量に関してきちんと裏づけを示すことが必要になる。ですからこのちょっと話がそれてしまいましたけども、この価格交渉なしだけではなくて、企業がどのくらいの供給力を持っているかっていうことについて、きちんと情報を出させる仕組みが必要だろうと思います。

かつ、いまジェネリックメーカーに関してはこれまでの有識者検討会でも指摘されているが非上場企業が多い。ジェネリック品を販売している会社のおそらく3分の2以上はJGAにも製薬協にも加盟してない。その中で、情報提供をきちんと行ってるかどうかもわからない。

そういった企業も含めて供給量に関するキャパシティ、あるいはその供給状況についてきちんと報告させる仕組みというものが必要だと思います。場合によってはそういった仕組み、取り組みについて薬価で評価したらどうか。ということで先ほどの話に戻るわけですけども、そんな形で流通それから、薬価制度ということについての改革ということを検討する必要があると考えています。すいませんちょっと長くなりましたけど、以上でございます

遠藤座長:貴重なご意見ありがとうございました。事務局は何かありますか。

事務局:一点目にご質問いただきました薬局方でのバイオ医薬品の取り扱いにつきましては、すいませんご指摘いただきました通り明確だとか直接的なお答えをいま持ち合わせておりません。ご指摘いただいているようにバイオシミラーの品目自体が薬局方の中で化成品と同じように記載がされている形にはなっていないとは思われるんですが、あの製剤総則などの共通の規格や試験方法の中でバイオシミラーに関連する記載も一部入ってると思いますが、詳細につきましてはすいません。確認をさせていただきたいと思います。

遠藤座長:よろしくお願いいたします。はい。他によろしいでしょうか。もしあれば最後に総合的にご議論いただければと思います。(その2に続く)

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