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日本ケミファ・山口社長 製造工場の3交代制導入に意欲 稼働率向上で安定供給と原価率低減を実現

公開日時 2023/07/05 04:51
日本ケミファの山口一城社長は7月4日、専門誌・紙を対象とした記者懇談会で、日本とベトナムの製造工場で3交代制を導入することに意欲をみせた。現在の2交代制から3交代制にすることで工場の稼働率を向上させ、安定供給とコスト削減・原価率低減の実現を図る。他社からの製造受託も進める考えで、「ベトナム工場では製造コストを低く抑えて供給できる。ベトナムで製造した方が、(当社も委託先も)互いにメリットが出るケースがある」と述べ、業界全体で効率的に良質廉価な後発品を安定供給できる体制を構築したい意向を示した。

同社は2022年度から日本のつくば工場(以下、国内工場)とベトナム工場で2交代制を開始した。このうち国内工場は、22年度から3交代制の導入と製造人員の増員を進めてきたが、人員確保に苦労している。ただ、轡田雅則・取締役専務執行役員はこの日の記者懇談会で、国内工場では23年度から、「比較的ボトルネックになりそうなところを3交代制にするなど、部分的に始めた」と明らかにし、3交代制の導入に向けた検証作業も進めていると説明した。

ベトナム工場に関しては、「日本よりも人員を採用しやすく、3交代制への抵抗感も少なく、余力があると思っている」と述べ、ベトナムにおける他社工場の動向も踏まえ、3交代制を検討していく構えを見せた。

なお、同社は、増産対応のための設備投資として23年度に37億円をあてる計画。国内工場での製造ラインの追加実装のほか、人員確保などの体制整備に用いる。同社の23年度の製造能力は国内工場が約15億錠、ベトナム工場が約4.5億錠となる見通し。

◎「インフレが続くなかで毎年改定は全くもってナンセンス」 3価格帯への集約も「非合理的」

山口社長は、厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」が取りまとめた報告書の受け止めと、国への要望を語った。後発品の品質保証体制の更なる強化や製造能力引上げによる安定供給の実現、サプライチェーン全体でのコスト削減と効率化を進めることで収益構造の改善・強化を図るという「自助努力は欠かせない」との認識を示した上で、「自助努力をする中でも、構造的に厳しくなっていることは痛感している」と述べた。

構造的な問題のひとつにインフレ、物価高、円安の中で薬価だけが引き下げられていることを挙げ、「インフレが続くなかで毎年改定は全くもってナンセンス。中間年改定をするのであれば、不採算品に対するルールが必要」と強調した。さらに後発品薬価を3価格帯に集約される薬価制度にも言及。「他社の価格動向で当社品目の薬価が影響されるのは非常に非合理的だ。ここは改善してもらいたい。本来の銘柄別市場実勢価格主義に戻すべき」とも強く訴えた。
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