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塩野義製薬創製の抗菌薬・セフィデロコル インド社と製造に係る契約締結 低中所得国のアクセス拡大で

公開日時 2023/09/15 04:49
塩野義製薬は9月12日、新規の多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬・セフィデロコルの低中所得国でのアクセス拡大に向け、同剤でパートナーを組む非営利団体「GARDP」が同剤製造に関するサブライセンス契約をインドのOrchid Pharma社と締結したと発表した。このサブライセンス契約には、医療リソースが限られた環境下でも、各国の医療制度に基づき、患者が支払い可能な価格でのセフィデロコルの提供を実現するために、製造スケールに応じたコスト削減が価格設定に反映できる規定も盛り込まれている。

セフィデロコルは塩野義製薬の創製品で、多剤耐性菌を含むグラム陰性菌の外膜を効果的に通過して抗菌活性を発揮する新規のシデロフォアセファロスポリン系抗菌薬。カルバペネムへの耐性獲得に関連する3つの主な機序(βラクタマーゼによる抗菌薬の不活化、ポーリンチャネルの変異による膜透過性低下、排出ポンプの過剰産生)による影響を受けずに抗菌力を発揮する。

塩野義製薬、GARDP、グローバルヘルス組織「CHAI」の3者は、セフィデロコルに関するライセンス契約及び提携契約を締結しており、3者共同ですべての低所得国および多くの低中所得国、高中所得国を含む世界135カ国における抗菌薬へのアクセス拡大に向けた取り組みを推進している。GARDP(Global Antibiotic Research and Development Partnership)は、薬剤耐性菌感染症の新規治療薬を開発するスイスに拠点を置く非営利団体。CHAI(Clinton Health Access Initiative)は低中所得国の人々の命を救い、病気の負担を軽減することに取り組んでいるグローバルヘルス組織。

今回のGARDPとOrchidとの間のサブライセンス契約では、OrchidがセフィデロコルをWHOの医薬品事前認証(PQ)プログラムに申請することも規定している。WHOのPQリストに掲載された製品は、WHO加盟国における各国規制当局の薬事承認に要する時間を90日に短縮するWHOとの共同登録申請の対象となる。23年3月にWHOは、セフィデロコルの製造業者に関心表明を提出するよう募集しており、これは結核以外の細菌感染症治療薬にWHOがPQ提出の資格を与えた初めての例となる。

今後は、塩野義製薬、GARDP、CHAIの3者間の契約に基づき、CHAIが塩野義製薬とOrchidとの間のセフィデロコルに関する技術移転を支援する。塩野義製薬はセフィデロコルの製造に必要なすべての情報をOrchidに提供し、Orchidの生産能力の向上に貢献することで、セフィデロコルのグローバルでのアクセス拡大を目指す。
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