塩野義製薬は６月30日、経口新型コロナ治療薬・ゾコーバ錠125mg（一般名：エンシトレルビル）について、６歳以上かつ体重20kg以上の小児の用法・用量追加を承認申請したと発表した。現在12歳以上を対象に承認されている。また、６歳以上の小児患者でも簡便に服用可能な小型の錠剤（25mg錠）の剤形追加も申請した。

同社は、「COVID-19は、依然として公衆衛生上の重大な課題」だと指摘した。そして、現在12歳未満の小児に使用可能な経口抗ウイルス薬はなく、安全かつ簡便に使用できる経口抗ウイルス薬の開発が求められているとした上で、「この度の用法・用量の追加申請が承認されれば、エンシトレルビルは６歳以上かつ体重20kg以上の小児での新たな治療選択肢になる」としている。

今回の用法追加申請は、６歳以上12歳未満の小児COVID-19患者を対象とした国内第３相臨床試験の結果に基づく。同試験は、エンシトレルビルを１日１回、５日間投与した際の安全性および忍容性、薬物動態を確認することを主要目的として実施し、117例が登録された。

その結果、エンシトレルビル群の安全性および忍容性は良好で、重篤な有害事象や新たな有害事象は認められなかったという。エンシトレルビル群の薬物動態は、成人でこれまで確認されたものと大きな違いはなく、成人と同様の優れた抗ウイルス効果も確認されたとしている。