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東和薬品 23年度上期は増収・大幅増益 年間生産能力10億錠増の140億錠に 安定供給責任果たす

公開日時 2023/11/14 04:49
東和薬品は11月13日、2023年度第2四半期の連結売上高が前年同期比18.7%増の1073億円、営業利益は117.5%増の70億円の増収・大幅増益だったと発表した。東和薬品グループとして安定供給責任を果たすため、増産に向けた新規設備の導入や増員に取り組み、年間生産能力は前年度比10億錠増の140億錠となった。同社の内藤泰史営業本部長はこの日の決算説明会で、好業績の要因について、「生産体制が整い、生産の絶対量が増えた。当社の安定供給体制や品質が信頼されているということだと理解している」と述べた。

同社の吉田逸郎代表取締役社長は21年度以降、毎年10億錠の増産を行ってきたとした上で、「(工場従業員には)残業、休日出勤、深夜勤務とできる範囲で協力いただいている。(供給不安が発生した20年以降)フルで3年間、この状況が続いており、働き方の面から言っても限界にある」と現状を指摘した。増員も困難になっているという。ただ、その一方で生産能力増強に向けて「個社としてできることはまだある」とし、大阪、岡山、山形の3工場の生産効率向上に取り組む意向を示した。

同社は現在、山形工場で第三固形製剤棟などの建設を進めており、24年度以降、計175億錠の生産能力を実現する計画をたてている。同社はこの新棟建設にあたり540億円を借り入れた。吉田社長は、「当社の経営状況からみて、できないぐらいの投資を行った」と振り返り、覚悟を持って設備増強を行っていると述べた。それでも「業界全体の安定供給体制という観点では足りない」と強調。「医薬品の安定供給体制を、社会インフラとして作り上げていかなければならない」と改めて指摘し、個社や業界の更なる努力に加え、国や行政と一体となってこうした体制を構築する必要性を訴えた。

なお、武見敬三厚労相が11月7日に製薬企業24社の経営幹部を同省に呼び、鎮咳・去痰薬の供給不安解消に向けたあらゆる手立手を求めたことに関して、吉田社長は、「できる限りの協力と増産体制を計画している」と話すにとどめ、具体的な増産量は言及しなかった。

◎沢井製薬の不正公表を受け、試験担当実務者に聞き取り調査を実施中

同社の内川治取締役は、沢井製薬がテプレノンカプセル50mg「サワイ」の安定性モニタリングの溶出試験で不正があったと認めた事案を受けて、3工場の試験担当実務者を対象に聞き取り調査を行っていることを明らかにした。実務者1人ひとりに対し、「やるべきことではないことを、やっていないかと聞き取りしている」と言い、山形と大阪の2工場の聞き取りは終了したという。内川取締役は「現時点では大きな恣意的な所見は認められない」と述べた。岡山工場での聞き取り調査を今月中に終了させる考えで、その後、速やかに調査結果を公表する方針を示した。

【23年度上期連結業績(前年同期比)、通期予想】
売上高 1073億9600万円(18.7%増) 2163億円
営業利益 70億300万円(117.5%増) 118億円
親会社帰属純利益 69億5300万円(158.3%増) 69億円
▽前連結会計年度は、連結子会社9社の決算期変更の経過期間となり、当該連結子会社は15カ月(22年1月~23年3月)を連結対象期間とした変則決算になっている。このため対前期増減率は記載していない。▽連結子会社9社について、当第2四半期連結累計期間は23年4~9月、前第2四半期連結累計期間は23年1~6月の決算期を取り込んだものになっている。
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