東和薬品・吉田社長 特許満了医薬品の安定供給エコシステム構築へ 大塚製薬との協業は「第一弾」
公開日時 2026/01/30 04:50

東和薬品の吉田逸郎代表取締役社長は1月29日に開いた説明会で、大塚製薬との医薬品製造における協業体制の構築は、同社の描く“特許満了医薬品の安定供給エコシステム”構築に向けた「第一弾」と述べた。同社はジェネリック医薬品だけでなく、長期収載品やAGの区分けなく、特許切れ市場の医薬品を特許満了医薬品に位置付け、新たなビジネスモデル構築を模索。災害リスクにも対応できるよう複数箇所で生産体制を整える“バックアップ生産体制”構築に向け、今後5~10年をかけて、自社工場や提携先を含めた生産体制の再構築に挑む考えだ。吉田社長は「これで終わりではない」と述べ、今後更なるビジネス展開に意欲をみせた。
◎安定供給体制を再構築 「東和としてのバックアップ生産体制を完成させる」
吉田社長は、「治療上必要な医薬品の安定供給をする。しかも、製造管理、品質管理の確かな医薬品を安定供給するのがこれからの我々の使命だ」と強調した。安定供給体制構築に向けては、製造拠点を一か所に集約化し、生産効率を上げることが選択肢にあがるが、吉田社長は、地震や火災などの災害により供給不安が起きるリスクを指摘。同社によると、国内に217拠点が点在しており、「各地域の地域経済にも貢献をしているところがある」という。そのため、現在の拠点を生かした形で、複数の工場で、同一の製品を製造できる体制が理想との考えを示した。
こうした生産体制構築には他社との協業も必要になる。吉田社長はジェネリック業界内での協業についても検討したが、「お互いの共通した考えが見いだせないままにちょっと時が過ぎていっている」共通した考えを見出すのに時間がかかっている」と話し、長期収載品を製造する先発メーカーとの協業を模索するに至ったと説明した。
長期収載品をめぐっては、選定療養導入や薬価ルールの変更でビジネスへの影響が大きくなっている。こうした中で、新薬メーカーが長期収載品をめぐっては設備投資が難しくなり、機械の老朽化も進んでいると指摘した。一方で、「先発メーカーが長期収載品を製造する工場は、「品質管理や精度管理がしっかりしていて、技術もノウハウもある」と強調。「技術承継されないままなのは非常にもったいない。技術や設備を有効活用すべきだ」と話した。今回、合意に至った大塚製薬との協業も、こうした取組みの一端であると説明した。
そのうえで、最終的な安定供給体制構築に向けては、「社内の工場も含めた再構築についてある程度の見通しを3年、5年くらいで立て、その先の5年、10年先に東和としてのバックアップ生産体制を完成させることを目標にしている」と話した。
◎大塚製薬との協業で「品質、理想的な製剤に更新」 長期収載品を「改良・改善」
大塚製薬と結んだ医薬品製造における戦略的な協業体制の構築に向けた基本合意では、大塚製薬の一部の長期収載品について、承継を前提に東和薬品に製造技術を移管し、長期収載品を製造する。
中村豪之執行役員経営戦略本部長は、「他社との協業の中で、他社が持たれているノウハウ、情報、そういったところも引き継ぎながら、弊社の目指す品質、理想的な製剤に更新していくことも考えている」と説明。先発メーカーの有する特許権には、物質特許だけでなく、製剤や生産効率化をめぐる製法、品質など様々なライセンスがあるとして、「こういうことも含め、我々は高品質なものを安定供給していくことを協議で考えていきたい」と述べた。
また用途特許についても触れ、「必要に応じて、効能・効果の前提は引き継ぎながらも、患者様にしっかり届けていけるようにする。患者様の機会損失ないようにしていきたい。そういった思いの中で、改良・改善も必要に応じてやっていく」との考えを示した