厚労省が事務連絡 不採算品再算定品目は「適正流通を」 医療保険上必要性高いと「製造販売業者が報告した品目」
公開日時 2024/03/08 04:50
厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課は3月5日、日本製薬団体連合会など製薬業界宛てに、2024年度薬価改定で特例的に不採算品再算定を適用された品目について、適正な流通を求めるよう周知する事務連絡を発出した。あわせて、不採算品再算定を適用された699成1911品目(告示数)のリストを厚労省のホームページに掲載された。改訂された流通改善ガイドラインでは交渉段階からの単品単価を求めており、医薬品の価値に見合った取引を求める考え。
不採算品再算定をめぐっては、急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、企業から希望のある品目に対して特例的に適用。ただし、乖離率が7.0%超の品目は対象外とされ、699成1911品目(告示数、品目数は1943品)に適用された。
事務連絡では、「今回、不採算品再算定の適用となった医薬品は、保険医療上の必要性が高いと考えられる品目として製造販売業者から報告されたものであり、その安定供給を継続させて いくために、適正な価格で流通することが望まれる」と強調。「今回の不採算品再算定が適用された趣旨に鑑み、これらの医薬品が適正な価格で流通するよう」加盟企業に周知することを求めている。
不採算品再算定を含む、「特に医療上必要性の高い」品目は、改訂された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」で「価格交渉の段階から別枠とし、個々の医薬品の価値を踏まえた単品単価交渉とすること」と明記。単品単価交渉を実現するためには流通当事者が該当品目を知ることが不可欠だが、製薬業界が反対し、不採算品再算定のリストは公表されてこなかった。こうした実態を踏まえ、医薬品卸が「医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会」などで、製薬業界にリストの公表を求めており、厚労省側も今回不採算品再算定のリストの公開に踏み切った。