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週1回皮下投与の基礎インスリン製剤・アウィクリなど新薬8製品承認へ 薬事審・第一部会が了承

公開日時 2024/06/03 04:51
厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会は5月31日、ノボ ノルディスク ファーマの週1回皮下投与の基礎インスリン製剤・アウィクリ注(一般名:インスリン イコデク)など新薬5製品の承認の可否を審議し、承認することを了承した。

新有効成分含有医薬品の中には、ノバルティス ファーマの経口投与の発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬・ファビハルタカプセル(イプタコパン)や、日本たばこ産業のアトピー性皮膚炎及び尋常性乾癬に対する外用剤・ブイタマークリーム(タピナロフ)が含まれる。

報告品目は3製品で、この中にスキリージに潰瘍性大腸炎の効能を追加することが含まれる。審議品目、報告品目の計8製品は6月中の正式承認が見込まれる。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ネキシウムカプセル10mg、同カプセル20mg、同懸濁用顆粒分包10mg、同懸濁用顆粒分包20mg(エソメプラゾールマグネシウム水和物、アストラゼネカ):「逆流性食道炎、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。再審査期間は4年。

プロトンポンプ・インヒビター(PPI)。逆流性食道炎では、再発・再燃を繰り返す場合の維持療法の小児用量を追加する。また、▽NSAIDs投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制▽低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制――において、小児用量を追加する。

ファビハルタカプセル200mg(イプタコパン塩酸塩水和物、ノバルティス ファーマ):「発作性夜間ヘモグロビン尿症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

補体B因子阻害薬。用法・用量は「通常、成人には1回200mgを1日2回経口投与する」となり、経口単剤療法での承認となる。PNHに対する経口薬としては、補体D因子阻害薬・ダニコパン(ボイデヤ錠)があるが、ボイデヤは補体C5阻害薬(注射剤)との併用療法で承認されている。

海外でファビハルタは、米国で23年12月に承認されている。

ブイタマークリーム1%(タピナロフ、日本たばこ産業):「アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

アリル炭化水素受容体(AhR)調整薬の外用剤。アトピー性皮膚炎の用法・用量は「通常、成人及び12歳以上の小児には、1日1回、適量を患部に塗布する」、尋常性乾癬は「通常、成人には、1日1回、適量を患部に塗布する」。

アトピー性皮膚炎の治療の中心は抗炎症外用剤であり、ステロイド外用剤やタクロリムス軟膏に加え、新たな選択肢としてJAK阻害薬・コレクチム軟膏が20年1月に、PDE4阻害薬・モイゼルト軟膏が21年9月に承認されている。コレクチムとモイゼルトはいずれも1日2回塗布となっている。

一方、現在、尋常性乾癬の外用療法には、活性型ビタミンD3外用剤とステロイド外用剤が広く使用されている。

ブイタマーは、日本たばこ産業(JT)がスイスのDermavant Sciences社から導入し、鳥居薬品と国内共同開発した。海外では、米国において尋常性乾癬に係る効能・効果で22年5月に承認されているが、24年4月現在、アトピー性皮膚炎に係る効能・効果で承認されている国又は地域はない。

アウィクリ注フレックスタッチ総量300単位、同注フレックスタッチ総量700単位(インスリン イコデク(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスクファーマ):「インスリン療法が適応となる糖尿病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

週1回皮下投与の基礎インスリン製剤。1型及び2型糖尿病に使用できる。用法・用量は、「通常、成人では、1週間に1回皮下注射する。初期は通常1回30~140単位とし、患者の状態に応じて適宜増減する。他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1週間あたり30~560単位である。ただし、必要により上記用量を超えて使用することがある」。

既存のレベミル注、トレシーバ注、ランタスXR注といった基礎インスリン製剤は、通常、1日1回皮下投与となっており、アウィクリは、投与回数を大幅に減らすことができ、利便性が高く、患者の治療負担感の軽減によって生活の質や治療実施率の向上が期待されている。

海外では、24年3月にスイス及びカナダで承認されている。

▽①ブリィビアクト錠25mg②同錠50mg③同静注25mg(ブリーバラセタム、ユーシービージャパン):「①②てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)③一時的に経口投与ができない患者における、下記の治療に対するブリーバラセタム経口製剤の代替療法:てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は、小児開発の必要性から2年間の延長が認められ、10年。

レベチラセタムと同様に、てんかん発作に関わるとされる脳内の神経終末にあるシナプス小胞タンパク2A(SV2A)に結合することにより作用を発揮すると考えられている。錠剤の用法・用量は、「通常、成人には1日50mgを1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日200mgを超えない範囲で適宜増減できる」。

海外では、16年1月に欧州において部分発作(二次性全般化発作を含む)に係る効能・効果で承認されて以降、24年2月現在、欧米を含む51の国又は地域で承認されている。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

▽①トルリシティ皮下注0.75mgアテオス②同皮下注1.5mgアテオス(デュラグルチド(遺伝子組換え)、日本イーライリリー):「2型糖尿病」を効能・効果とする①新用量医薬品②新用量・剤形追加に係る医薬品。

持続性GLP-1受容体作動薬。現在の用法・用量は0.75 mg の週1回投与となっており、今回、「患者の状態に応じて1.5mgを週に1回投与に増量できる」を追加する。

ボトックス注用50単位、同注用100単位(A型ボツリヌス毒素、グラクソ・スミスクライン):「上肢及び下肢痙縮」を効能・効果とし、小児用量を追加する新効能・新用量医薬品。

24年1月現在、欧米を含む100以上の国又は地域で承認されており、上肢痙縮及び下肢痙縮に対する小児の効能・効果及び用法・用量については、08年5月にオーストラリアで承認されて以降、上肢痙縮については欧米を含む20カ国以上で、下肢痙縮については欧米を含む60カ国以上の国又は地域で承認されている。

▽①スキリージ点滴静注600mg②同皮下注360mgオートドーザー③同皮下注180mgオートドーザー(リサンキズマブ(遺伝子組換え)、アッヴィ):「①中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)②③中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする①②新効能・新用量医薬品③新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間は残余(28年9月25日まで)。

ヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体。24年4月現在、尋常性乾癬に係る効能・効果では79の国又は地域、乾癬性関節炎に係る効能・効果では81の国又は地域、クローン病に係る効能・効果では54の国又は地域で承認されている。潰瘍性大腸炎に係る効能・効果では、承認されている国又は地域はない。
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