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大塚HD・樋口社長 第4次中計 主要品のクリフ克服に自信 新薬10製品等で業績は「23年を大幅に超える」

公開日時 2024/06/10 04:51
大塚ホールディングスの樋口達夫代表取締役社長兼CEOは6月7日、5か年の第4次中期経営計画(2024年~28年)の説明会に臨み、「エビリファイメンテナやジンアークといった主要製品のLOEのマイナス影響約3100億円を吸収し、(中計最終年に)売上収益、事業利益とも23年を大幅に超えていく」と強調した。レキサルティやロンサーフをはじめとする新薬10製品と導出品2製品で構成する「グローバル10プラス2」を中心に、エビリファイメンテナなどのパテントクリフを克服。これにより28年の連結売上は、23年比約4800億円増となる2兆5000億円を目指す計画を立てた。また計画通りの新薬上市や適応追加、29年以降を見据えた持続的成長に向け、研究開発費は毎年3000億円規模、本中計期間中に計1兆5000億円を投じる方針も示した。

同社はこれまでに、4週間に1回投与の抗精神病薬・エビリファイメンテナは米国で24年10月に製剤特許が満了すると明らかにしていた。常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)治療薬・ジンアーク(国内製品名:サムスカ)の特許切れ時期は不明だった。樋口社長はこの日の説明会で、「(主要製品の)LOE影響により、26年に事業利益の調整局面を想定している」と述べ、エビリファイメンテナやジンアーク/サムスカ(ADPKD適応)の主要国での特許切れ・後発品参入は25~26年に集中することを示唆した。エビリファイメンテナやジンアーク/サムスカ(同)の本中計期間の業績へのマイナス影響は、売上で約3100億円、事業利益で約2500億円であることも明かした。

ただ、以前からエビリファイメンテナなどの特許切れ対策に取り組んでいたこともあり、樋口社長は「今までで最も充実した開発後期の新薬候補群」が揃っていると強調。この新薬候補群から「着実に上市を実現する」とし、特許切れによる業績の調整局面を「短期にとどめる」と早期のパテントクリフの克服に自信をみせた。

◎28年に売上2兆5000億円、事業利益3900億円達成へ いずれも過去最高額

本中計期間の連結業績目標は、売上は23年実績の2兆186億円が、26年に2兆2000億円、最終28年に過去最高の2兆5000億円の達成を目指す。事業利益は23年実績の3126億円が26年に2700億円に減少するものの、28年に過去最高の3900億円を目指す。

事業利益の26年から28年の年平均成長率は20%以上と見込んでおり、これは医療関連事業の「グローバル10プラス2」の成長と、ニュートラシューティカルズ(NC)関連事業における地球環境、女性の健康、少子高齢社会といった社会課題を解決する製品群がけん引する。樋口社長は、「新規事業の拡大と次世代の成長を生み出す投資を促進する5年間と位置付けている」と述べた。

◎成長ドライバーはレキサルティとロンサーフ、「コア2」と命名 「LOEのマイナス分の大半を相殺」

医療関連事業の業績目標を見てみると、23年売上実績の1兆3912億円が、26年に1兆4750億円、28年に1兆6800億円へと成長。28年の売上目標は23年比で約2900億円の増収となる。事業利益は23年実績の2821億円が26年に2300億円まで落ちるが、28年に3200億円へとV字回復する画を描いた。

医療関連事業の成長ドライバーの「グローバル10プラス2」のうち「グローバル10」は、「コア2」と「ネクスト8」に分かれる。このうち「コア2」は抗精神病薬・レキサルティと抗がん剤・ロンサーフのことで、本中計期間の同事業の成長をけん引する最主力品となる。コア2の28年売上目標は、23年比2400億円増の5400億円。樋口社長は「コア2の成長で、主要製品のLOEのマイナス分の大半を相殺する」と両剤に大きな期待を寄せた。

なお、レキサルティは米国でPTSDの適応追加を申請しており、承認されれば20年以上ぶりの新薬の登場となる。樋口社長は、「(既承認の)アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション(AAD)とPTSDの2つの大きな社会課題の解決への貢献を目指し、レキサルティの価値最大化を図る」と語った。

◎29年以降の成長期待する新薬・開発品8製品にウロタロントなど 「ネクスト8」と命名

「ネクスト8」は、第5次中計期間以降(=29年以降)に売上成長が期待できる8製品のこと。このうち上市済みの製品は、▽胆管がんや胆道がんに対するFGFR阻害薬・リトゴビ、▽骨髄異形成症候群(MDS)等に対する経口DNAメチル化阻害配合薬・INQOVI、▽新規医療機器のuRDN――の3つあり、適応追加や承認地域の拡大などライフサイクルマネジメントを進める。例えばリトゴビは食道がんや膵がんといった予後不良の消化器がんに対するがん免疫療法との併用療法の開発が進展している。

このほかの「ネクスト8」は、▽統合失調症、大うつ病、全般不安症を対象に開発中の非ドパミン系TAAR1アゴニスト・ウロタロント、▽ADHDを対象に開発中のNDSRI・センタナファジン、▽IgA腎症を対象に開発中の抗APRIL抗体・sibeprenlimab、▽EGFRエクソン20挿入変異陽性非小細胞肺がんを対象に開発中のEGFR阻害薬・zipalertinib、▽骨髄異形成症候群(MDS)などで開発中のASTX030――となる。これら5つの開発品は全て中計期間中に承認申請する予定(ウロタロントは統合失調症で申請予定)で、「ネクスト8」には中計期間に2200億円の増収を期待する。

本中計期間には、これら5つを含む14プロジェクトの承認申請を計画している。日本での申請予定は9プロジェクトで、「ネクスト8」に位置付けられたsibeprenlimab やzipalertinibのほか、▽レキサルティの統合失調症に対する週1回投与製剤、▽デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象とするpizuglanstat、▽心性浮腫を対象とするOPC-131461、▽高コレステロール血症を対象とするベムペド酸、▽NSCLC及び上部消化管がんを対象とするzipalertinib+domvanalimab、▽結核を対象とするquabodepistat――となる。

◎井上COO がん事業を「第2の収益の柱にする」

医療関連事業の詳細を説明した井上眞代表取締役COOはがん事業に関し、「精神・神経領域に並ぶ医療関連事業の第2の収益の柱にする」と表明した。「ネクスト8」の中のがん関係4品目(zipalertinib、リトゴビ、INQOVI、ASTX030)を「着実に成長」させ、「第5次中計以降の飛躍につなげる」と今後の展望を語った。「コア2」のリトゴビを含めると「グローバル10」のうち5品目はがん関連製品で、28年にはがん事業で売上3000億円規模を目指す考えを示した。

このほか「プラス2」は、ノバルティスに導出した乳がん治療薬「Kisqali」、前立腺がん治療薬「Pluvicto」のことで、本中計期間に1000億円の増収を目指す。

◎精神神経、循環器・腎、がんの各領域でグローバルの権利あるパイプラインの獲得も

本中計期間には、長期にわたる持続的成長をより確実なものにするため、外部資産の獲得にも重点的に取り組む。特にパイプラインを継続的に生み出すような創薬技術の獲得や、精神神経、循環器・腎、がんの各疾患領域を中心にグローバルの権利があるパイプラインの獲得を図る考え。“より多くの社会課題解決を目指す”という基本戦略に合致し、経営資産とシナジーが創出できる領域に投資していく。
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