時間外ゼロは目指すべきものか
公開日時 2024/07/01 00:00
医師・個人事業主(サージラボ)中村浩己世間の風潮を見ていると、時間外労働は悪らしい。生産性向上を叫ぶ識者の声と、タイパ・コスパを重視する若年層の声は、軌を一にしているように見える。その行き着く果ては時間外労働ゼロ……ということなのだろうか。何事につけ、世間が一色に染まる時、私は逆に違和感を覚える。特に、ゼロとか100(%)とかの話には、眉に唾を付けて考える習性がある。働き方改革が推進される中、時間外労働削減は、どの企業でも取り組むべき課題となっている。そして、ある程度、そのモーメンタムが生まれてくると、最終目標は時間外労働ゼロという訳だ。だが、何かがおかしいと、心にモヤモヤを感じている中高年は少なくないだろう。私が勝手にそのモヤモヤを推測すると、「モーレツに働いて...