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参天製薬・伊藤CEO 25年度は主力品特許切れで減収減益見通しも「26年度以降は成長基調に」

公開日時 2025/05/14 04:50
参天製薬の伊藤毅代表取締役社長兼CEOは5月13日の24年度決算説明会で、今後の成長見通しについて「25年度は日本における主力品の後発品上市の影響を最も強く受けることが想定される年度となるため、減収・減益を見込んでいるが、26年度以降は成長基調に回復すると考えている」と述べ、大型化を見込む近視進行抑制薬や眼瞼下垂治療薬がその原動力になると強調した。5月21日に新たな中期経営計画を発表し、25年度から29年度までの5年間の成長の道筋を説明するとした。

◎近視進行抑制点眼薬・リジュセア「非常に順調な滑り出し」

25年4月に国内で自由診療で発売した近視進行抑制点眼薬・リジュセアは、「既に全国1000施設以上で採用されており、非常に順調な滑り出しを見せている」(中島理恵取締役執行役員COO)という。25年度には14.13億円の売上を予想。伊藤社長は「今期は売上をそんなに急ぐ形ではなく、正しい使い方をしてくださるような形をしっかり確立していくところに重点を置いている」と述べた。中島COOは「この治療の意義を感じてくださるクリニックにきちんと製品の良さ、プロファイルをご理解いただき、きちんと処方して、患者さんには薬剤を継続していただく。それなりの時間がかかるだろうという覚悟で活動している」と語った。

欧州では、25年 3月に医薬品委員会(CHMP)による承認勧告を受領しており、25年度中の上市を予定。25年度に1.93億円の売上を予想している。

◎眼瞼下垂治療薬・オキシメタゾリンを国内申請「計画通り開発が進んでいる」

また、国内では、眼瞼下垂治療薬・オキシメタゾリンを24年12月に承認申請しており、25年度の承認取得を予定している。欧州、中国では第3相試験を開始した。伊藤社長は「大型化を期待している近視、眼瞼下垂についてはいずれの地域においても計画通り開発が進んでいる」と述べた。

◎25年度国内売上高は6.8%減の1541億円 ジクアス25.4%減、アレジオン15.6%減

25年度の日本事業の売上は24年度比6.8%減の1541億円と減収を予想している。リジュセアの上市やドライアイ点眼薬・ジクアスLXの出荷再開を見込むが、主要品の後発品影響や通期での選定療養影響を反映している。

従来の1日6回点眼から3回点眼を可能にしたジクアス LXは、 22年11月に発売されたが、24年5月に防腐剤として添加している硝酸銀の低下が判明し、自主回収・出荷停止となっている。このため、24年度に売上は立っていない。伊藤社長は、「出荷再開に向けて当局との相談を進めている。下期中の出荷再開を前提として通期予想に織り込んでいる」と述べた。25年度の売上は41.31億円を見込んでいる。従来の1日6回点眼のジクアスの25年度売上は、24年4月に後発品が参入している影響もあり、25.4%減の48.48億円を見込んでいる。

抗アレルギー点眼薬等・アレジオン類は25年度に15.6%減の265.04億円を予想。このうち24年5月発売のアレジオン眼瞼クリームの売上は、倍増の111億円を見込む。伊藤社長は「花粉シーズンが本格化するまでは若干もたついたところがあったが、シーズン期に重要な医療機関の大半に使用していただき、いい手応えを感じており、今後、順調な売上をたどっていくと思っている」と述べた。

従来の1日4回点眼から2回点眼を可能にした19年11月発売のアレジオンLXには、25年1月に後発品が参入したが、同年1月には参天アイケアからAGが発売されている。伊藤社長は「参天のエピナスチン製剤の数量シェアが思っていたよりもかなり伸びてきた。引き続き上げていくチャンスで、結果を追い求めていかなければならないと思っている」と述べた。中島COOは「ある程度AGに切り替わっているので、今後は、クリームにアクセルを踏んで最大に伸ばしていく」と語った。

◎選定療養影響 24年度は20億円弱、25年度は40億円弱織り込む

24年10月から開始された長期収載品の選定療養の影響について、越路和朗執行役員CFOは「24年度は20億円弱で、25年度の予算に織り込んでいるのは、それの通年化によって40億円弱という状況だ」と説明した。

なお、海外事業(中国・アジア・EMEA)については、25年度の売上を4.4%増の1393億円と予想している。

【連結業績(前期比)25年度予想(前期比)】 
売上高 3000億400万円(0.6%減)2940億円(2.0%減)
コア営業利益 593億8000万円(5.4%減)540億円(9.1%減)
営業利益 468億8000万円(21.6%増)440億円(6.1%減)
親会社所有者帰属純利益 362億5600万円(36.1%増)340億円(6.2%減)

【国内主要製品売上高(前期実績)25年度予想、億円】
コソプト 25.30(39.55)13.61
タプロス 33.16(59.37)27.59
タプコム 15.62(21.92)12.01
エイベリス 46.25(43.45)46.12
ジクアス 65.01(約68)48.48
ジクアスLX ―(約132)41.31
ヒアレイン 46.90(51.84)33.68
アレジオン類 313.93(293.05)265.04
うち点眼液 11(18)9
うちLX点眼液  248(275)145
うちクリーム 55(―)111
アイリーア(8mg製剤含む)780.52(727.16)715.75
クラビット 6.79(11.26)4.20
リジュセア ―(―)14.13

一般用医薬品 106.07(100.96)108.10

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