参天製薬 緑内障・高眼圧症点眼薬ネタルスジルメシル酸塩を承認申請
公開日時 2025/08/04 04:49
参天製薬は7月30日、緑内障・高眼圧症治療点眼薬・ネタルスジルメシル酸塩(一般名、開発コード:STN1013900)を承認申請したと発表した。1日1回投与タイプで、臨床試験では単剤及び他剤との併用で眼圧下降作用が示された。
同点眼薬は、Rhoキナーゼ(ROCK)およびノルエピネフリン・トランスポーターを阻害することにより、眼内の主要な房水排出経路である線維柱帯からの房水流出促進、房水産生の抑制、ならびに上強膜静脈圧を低下させることが確認されているという。活性代謝物であるAR-13503にもROCK阻害活性が認められており、これらの薬理作用が同点眼薬の眼圧下降作用に寄与すると考えられている。
国内第3相ラタノプロスト点眼液併用比較試験では、本剤の1日1回点眼で0.005%ラタノプロスト点眼液に対する眼圧下降作用の相加効果が検証された。さらに、国内第3相リパスジル点眼液比較試験において、本剤の1日1回点眼で、0.4%リパスジル点眼液の1日2回点眼に対するリパスジルに対する優越性が検証された。また、国内第3相長期投与試験では、本剤の長期に渡る眼圧下降作用が示されたという。
同社のピーター・サルスティグ・チーフメディカルオフィサーは、「本剤は、臨床試験において単剤及び他剤との併用で眼圧下降作用が示されており、既存治療のアンメットニーズを満たす新たな治療選択肢として緑内障治療に貢献できると考えている」とコメント。1日1回投与であることにも触れ、「患者さんのアドヒアランス向上にも貢献できることが期待される」としている。
緑内障は日本における眼疾患による視覚障害(視力低下や失明)原因の第1位。緑内障の視神経障害および視野障害は、基本的には進行性で非可逆的であるため、早期発見・早期治療が極めて重要で、眼圧を下げることが緑内障の進行を抑制する有効な治療法となっている。
緑内障の薬物療法では、FP受容体作動薬、EP2受容体作動薬又は交感神経β受容体遮断薬などによる眼圧下降治療が有効で、単剤による治療が不十分な場合は、薬剤変更や異なる作用機序の薬剤を追加する併用治療が行われている。