高リン血症薬フォゼベル 処方経験医の第一選択薬意向は限定的
下痢などの消化器症状への対応が評価の分かれ目に
公開日時 2025/06/01 00:00
高リン血症は、血液中のリン濃度が異常に上昇する疾患。血中リン濃度は腎臓で調節されるが、腎機能が著しく低下するとリンが体外に排泄できなくなるため、透析中の慢性腎臓病患者において高リン血症の罹患率が高いことで知られている。多くの場合、症状は現れないが、重度の腎機能障害でカルシウムとリンが結合すると、骨の脆弱化などに加え、血管内壁の石灰化などを招き、動脈硬化によって脳卒中や心疾患、冠動脈疾患につながるケースもある。高リン血症の治療は、食事指導によるリン摂取制限、消化管でのリン吸収を抑制するリン吸着薬の投与が挙げられるが、同剤の成分としてカルシウムや鉄などが使われていることから、長期投与によって血清カルシウムの上昇や便秘などの消化器症状を起こすなどの課題も少なくない。2024年2月に発売されたフォゼ...