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ノバルティス ファーマ C3腎症適応追加のファビハルタ 皮切りに「腎臓領域のさらなる貢献」に挑戦

公開日時 2025/06/13 04:51
ノバルティス ファーマの宮村哲哉腎臓領域事業部長は6月12日開催のメディアセミナーで、C3腎症が適応追加された補体B因子阻害剤・ファビハルタ(一般名:イプタコパン塩酸塩水和物)について、「治療薬が十分にない腎臓領域へのさらなる貢献をしていきたい」と意欲を示した。ファビハルタは腎臓領域の希少疾患に対する標的治療薬として自社開発した第1号製品。宮村事業部長は、「近年は腎臓領域で戦略的な企業買収やそれに伴う製品開発などを進めている」と明かしながら、腎臓領域のパイプラインやポートフォリオの拡充に引き続き注力する方針を強調した。

C3腎症は、免疫系の一部である補体第二経路の過剰活性化により、腎糸球体にC3というたんぱく質が沈着し、炎症および糸球体損傷が誘発され、たんぱく尿、血尿および腎機能低下が引き起こされる。患者の約半数が診断から10年以内に腎不全が進行し、透析や腎移植が必要になる。日本では患者数の正確な疫学情報はないものの、約1000人の患者がいる指定難病「一次性膜性増殖性糸球体腎炎」の一つに含まれる。

ファビハルタはC3腎症に対して初めて承認された治療薬で、根本原因と考えられる補体第二経路の過剰活性化を阻害する。腎移植を受けたことがないC3腎症患者を対象とした国際共同第3相試験(APPEAR-C3G試験)では、主要評価項目の投与6か月時点の尿蛋白(UPCR:24時間蓄尿)のベースラインに対する比が、プラセボ群に対してファビハルタ群で35.1%の減少が認められ、ファビハルタ群の優越性が検証された(片側p値=0.0014〈検証的解析結果〉)。尿蛋白の減少効果は12か月時点まで持続した。副作用はファビハルタ群(n=38)で肺炎球菌性肺炎などを発症した1例(2.6%)が報告されたのみだった。

◎旭川医科大・中川教授 「病状の進行抑制や腎機能維持に新たな可能性」


臨床試験結果について解説した旭川医科大学内科学講座循環器・腎臓内科学分野の中川直樹教授は、「病状の進行抑制や腎機能維持に新たな可能性をもたらし、これまで有効な治療法が限られていた患者さんにとって大きな希望になる」と強調。C3腎症に対しては支持療法や免疫抑制療法が中心となっていたが、中川教授は、「今までの治療で中心になっていたステロイドの副作用が懸念される患者さんにとっては疾患特異的な治療として有益だ」と述べた。
 
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