大塚メディカルデバイスは８月25日、治療抵抗性高血圧症患者に対し、追加的治療として血圧を低下させるために使用する腎デナベーション機器「Paradise超音波式腎デナベーションシステム」について、国内初の承認を取得したと発表した。超音波エネルギーを用いて、血圧調節及び高血圧の病態生理において重要な役割を果たす腎交感神経を焼灼することで、降圧効果を示す。

同システムは、冷却用バルーン付き超音波処置用カテーテルとジェネレータから構成され、経皮的にカテーテルを腎動脈内に配置し、カテーテルのバルーン内に還流している冷却水で血管壁を保護しながら、超音波エネルギーを血管周辺組織に円周方向に照射し、腎動脈周辺の交感神経を加熱焼灼する。各主腎動脈周辺の交感神経に、１回あたり７秒間の360度超音波照射を２～３回行う。

総調査期間７年、予定症例数300症例の使用成績評価を行う。また、医師・医療チームの要件や適正使用指針の順守、市販後調査等に関する承認条件が課されている。

高血圧治療ガイドライン2019では、治療抵抗性高血圧症患者は、利尿薬を含む作用機序の異なる３剤の降圧薬を用いても血圧が目標値まで下がらないものと定義されている。現在、３剤の降圧薬の使用以外に標準的な治療選択肢は限られており、薬物療法に限界がある。

なお、同システムの承認の可否が審議され、承認することが了承された７月18日の厚労省の薬事審議会医療機器・体外診断薬部会では、日本メドトロニックの高周波エネルギーを用いる腎デナベーション機器「Symplicity Spyral腎デナベーションシステム」を承認することも了承された。ただ、８月26日時点で日本メドトロニックの製品は承認されていない。