厚労省医政局医薬産業振興・ 医療情報企画課は10月29日、中医協総会に薬価削除品目が506品目あることを報告した。対象期間は2024年12月１日～25年９月12日に薬価削除願が提出されたもの。38 品目については、薬価削除により成分単位で削除されるが、他成分での代替薬が存在する等の理由により、関係学会から薬価削除の了承が得られたとしている。38品目の中には、Alnylam Japanのオンパットロ点滴静注2mg/mL、⽥辺三菱製薬のガストローム顆粒66.7％など先発品も含まれている。該当する506品目は11月頃に経過措置に移行予定で、経過措置期間は26年３月末まで。

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24年度からは、後発医薬品産業における少量多品目生産の適正化の観点から薬価削除の手続きを明確化され、削除予定品目については、経過措置告示の約１か月前に中医協に報告することとされていた。

◎リセドロン酸Na錠、モンテルカスト錠など削除へ　製販業者で最多は高田製薬54品目　ミクス調べ

薬価削除が報告されたのは、506品目。Alnylam Japanのオンパットロ点滴静注2mg/mL、⽥辺三菱製薬のガストローム顆粒66.7％など先発品も含め、38 品目は薬価削除により成分単位で削除される。このほか、クレストールOD錠2.5mg、同・5mg（アストラゼネカ）なども含まれている。

ミクス編集部の集計によると、製造販売業者別では⾼⽥製薬が54品目で最多。ニプロが32品目、長正堂製薬が26品目、日本ジェネリックが25品目、東和薬品が23品目、フレゼニウス メディカル ケア ジャパンが23品目、サンドが20品目と次いだ。

品目では、リセドロン酸Na錠17.5mgが５社５品目、エバスチン錠10mg、同・５mgが４社４品目、リセドロン酸Na錠2.5mgが４社４品目、セルトラリン錠100ｍｇ、同・50mg、同・25mgが３社３品目、モンテルカスト錠10mg・5mgが３社３品目、ロキソプロフェンNaパップ100mgが３社３品目、アリピプラゾール錠12mg・６mg・３mgが２社２品目が薬価削除を予定している。

◎診療側・森委員　経過措置期間後の残薬に懸念　延長を強く要請

中医協総会では、削除品目に対する異論は出なかった。ただ、診療側の森昌平委員（日本薬剤師会副会長）は、11月頃に経過措置に移行予定で、26年３月末に期限を迎えるとのスケジュールについて、「現場感覚とすると、これは短すぎる」と指摘。日本薬剤師会の調査によると、一薬局平均で約1300品目の備蓄があり、このうち２割は半年間使用されていないと説明。「経過措置を過ぎると、使用できなくなり、結果的に残薬は、薬局と医療機関の負担になるとともに、使われずに捨てられるということは、医薬品の無駄にもつながる」と指摘。安定供給の観点からも、「国民への必要な医薬品へのアクセスの観点からも、経過措置を伸ばしていただきたい」と要望。「経過措置期間については、最終ロットの使用期限までにしていただきたい。医療機関や薬局で残薬が出て最終的に使えなくなったものに関しては、企業からの回収も検討いただきたい」と主張した。

これに対し、厚労省医政局の医薬産業振興・医療情報企画課の安中健課長は、「今回、品目数も多く、品目ごとに状況は異なってくる部分があると思うが、使用期限や市場の流通の状況などを踏まえて延長が必要な場合には、製造販売業者からの申し出をいただき、延長することが可能としている。製造販売業者とよく話し合いをしていきたい」と応じた。

診療側の森委員は、「今回は一旦、26年3月ということに関しては承知した」と述べたうえで、製造販売業者に医療現場の懸念を理解してもらえるよう、厚労省にクギを刺した。「次回までにこの期間で設定するのかどうかは十分に検討していただきたい。はっきり言えば変えていただきたい」と強く要請した。