緩和ケアの拡充はようやくスタートライン
ノンフィクション作家 堀川 惠子 さん
公開日時 2026/01/01 00:00
あらゆる医療現場で苦痛に向き合う姿勢を2024年11月に上梓された堀川惠子さんの最新作『透析を止めた日』が、医療界に与えたインパクトは大きい。6月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針2025)で、慢性腎臓病対策について「腎不全患者の緩和ケアを含む」と明記され、9月には日本透析医学会など関連3学会から『腎不全患者のための緩和ケアガイダンス』が発表された。透析患者の終末期医療の現実、そして尊厳のある最期を迎えることがいかに困難であるかをリアルに描き、腎不全患者や家族はもとより、医療関係者、政府を突き動かした結果といえる。現在、各地の講演など緩和ケアの拡充に向けた活動に力を注ぐ堀川さんにお話しを伺った。(富井和司)〔略歴〕1969年、広島県生まれ。広島大学総合科学部卒業...