【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

ケアマネジャーを介した要介護高齢者・介護家族への疾患啓発・受診勧奨の有効性【事例紹介】  (2/2)

地域包括ケアシステム時代だからこそ、新たなDTC戦略を

公開日時 2026/03/02 00:00
12
介護従事者を介したDTCは在宅担当のケアマネジャーがベストである理由
ここまでケアマネジャーを介した要支援・要介護高齢者への疾患啓発・受診勧奨についてご紹介してきましたが、なぜ対象が自宅療養中の高齢者で、介護従事者の中でもケアマネジャーを介す必要があるのか疑問をお持ちの方も多いと存じます。よくある3つの質問についてお答えいたします。

 要介護高齢者の多くは寝たきりで、介護施設にいるのでは?

介護保険事業状況報告(2025年9月)によると、要介護(要支援)認定者は約734万人います。そのうち、いわゆる「寝たきり」と言われる要介護4・5は約150万人であり、全体の2割しかいません。一方で、全面的な介護を必要としない、比較的軽度(要支援1~要介護2)の認定者は7割を占めます(表13)


表1 要介護(要支援)認定者の人数


また、図5に示すように、要介護・要支援高齢者の多くは施設(緑色)ではなく自宅(赤色)で生活をしています6)。つまり、要介護者のほとんどは寝たきりではなく、自宅で生活しているのです。



図5 要介護・要支援高齢者が生活する場所


ちなみに、非常勤医や嘱託医がいる介護施設(介護老人保健施設など)で処方される薬剤費の多くは、介護保険から賄われます。介護保険は要介護度に応じて支給限度額が決まるため、最新の治療やより良い治療法は選びにくいという状況にあります。一方、自宅から外来に通い、医療保険を用いて治療を行っている場合は、患者さんやご家族が望めば、新薬などを選択しやすい状況にあります。

 要介護高齢者は在宅医や訪問看護師が診ているのでは?

訪問診療を受けている患者は100万1102人、訪問看護は健康保険で44万3781人、介護保険で77万8912人と報告されています(いずれも2023年のデータ)7,8)。ただし、両者は重複しており、高齢者以外で在宅医療を受けている者も含まれますし、また訪問看護(健康保険)を使っているのは高齢者以外が多いという実態があります(図6)。


図6 訪問診療・訪問看護の利用状況


訪問診療の利用率は地域ごとのばらつきが大きく、東京や大阪のような人口密度の高い地域で高く、関東以西の方が高いと報告されています9)。参考までに、大阪府豊中市で暮らす要介護・要支援認定者のうち、訪問診療を利用しているのは14.7%と記載されています10)

これらのデータから、在宅医や訪問看護師が担当しているのは要介護認定者の1~2割程度であり、残りの8~9割は家族や介護職のサポートを受けながら医療機関へ出向いて外来診療を受けていると推察できます。要介護高齢者にアプローチするために在宅医や訪問看護師を介する方法では、カバー率が低いと考えられます。一方、ケアマネジャーは介護保険サービスを利用している人のほぼ100%をカバーしています。

要介護高齢者や介護家族により身近なのは、ケアマネジャーではなくヘルパーでは?

介護保険サービスをケアプランに位置付けるのはケアマネジャーですが、実際にサービスを行うのは訪問介護(ヘルパー)やデイサービス等の介護スタッフであり、彼らの方が要介護高齢者や介護家族との接触頻度が高いのは間違いありません。本人や家族からの困りごとや相談を受けることも多々あると推測されます。

ただし、ヘルパーや介護スタッフは、自らの判断で本人や家族へ受診勧奨などの働きかけを行うことは基本的にできません。何か気が付くことがあれば、まずは所属する事業所の責任者に報告し、そこからケアマネジャーに情報が共有されるのが通常のルートです。その情報を受けてどのように動くかを考え、実行するのはケアマネジャーとなります(図7)。


図7 ケアマネジャーは介護従事者と医療従事者の“ハブ”的な存在

つまり、ヘルパーなどの介護スタッフは確かに身近な存在ではあるのですが、基本的には疾患啓発や受診勧奨を行える立場にないので、ケアマネジャーに直接、資材提供や教育を行う方がワークする可能性が高まります。



ケアマネジャーを介した要介護高齢者・介護家族への疾患啓発・受診勧奨にご興味がある方は、下記のお問い合わせ先までお気軽にご一報ください。

お問い合わせ先

株式会社インターネットインフィニティー
〒102-0084
東京都千代田区二番町11-19 興和二番町ビル2階
担当者:門脇
TEL:03-6897-4773
e-mail:service_planning@iif.jp
https://iif.jp/

<引用文献>
1)総務省.令和3年通信利用動向調査
2)消費者庁.令和5年版消費者白書
3)厚生労働省.介護保険事業状況報告の概要(令和7年9月暫定版)
4)厚生労働省.令和4年版 厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-,図表2-1-4 年齢階級別の要介護認定率
5)高山かおる他.診療と新薬 2024; 61: 181-189
6)国土交通省.高齢期の居住の場とサービス付き高齢者向け住宅の現状に関する調査報告(令和2年2月27日修正版)サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会 第3回配布資料
7)永井 学.厚生労働省「2023年社会医療診療行為別統計」分析(1),日経メディカル(2024/07/22配信)
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/nagai/202407/585121.html [2026年1月7日閲覧]
8)日本訪問看護財団.訪問看護データ集
https://www.jvnf.or.jp/data/
9)Sun Y, et al.Geriatr Gerontol Int 2024;24(12):1350-1361
10)豊中市の高齢者等を取り巻く現状 第9期豊中市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(2024年3月28日)
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/kenko/kaigo_hukushi/keikaku/dai9kikeikaku.files/shiryouhen.pdf [2026年1月7日閲覧]


12
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(1)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事


ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー