BMS CAR-T完全国内製造へ ニコン・セル・イノベーションと連携 30年に年2000人分を計画
公開日時 2026/03/19 04:51

ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)のヴァイスプレジデントで、ベクターおよび外部委託製造オペレーションを統括するファブリス・エティエンヌ氏は3月18日、CAR-T細胞療法の国内製造に関する記者会見で、「当社にとって重要なだけではなく、日本の成長にも資する取り組みだと考えている」と強調した。同社は再生医療用・遺伝子治療用細胞の受託開発・生産を手掛けるニコン・セル・イノベーションと連携し、2027年をめどにCAR-T細胞療法の完全国内製造を目指す。現在は技術移管の最終段階にあり、エティエンヌ氏は「規制で求められる以上に厳格なルールに従って技術移転をしている」と述べ、サプライチェーンの強靭化にも取り組んでいると説明した。
BMSは25年12月、ニコン・セル・イノベーションに対し、CAR-T細胞療法の完全国内製造で今後5年間に1億ドルを投資することを決定した。これにより、従来は細胞の選別と凍結までの前工程「メイク1」に限られていた国内製造を、遺伝子導入と培養・製剤化まで含む後工程「メイク2」まで行えるようにし、完全な国内製造体制の構築を進める。27年に製造を開始し、30年には年間2000人の患者に投与可能な生産能力の確保を目指す。
◎BMS・エティエンヌ氏「薬事申請、技術移転の最終フェーズに入っている」
エティエンヌ氏は会見で、「現在、CAR-T製品の完全な国内製造に向けての薬事申請、技術移転の最終フェーズに入っている。ニコン・セル・イノベーションとオペレーションの最終準備段階に入っている」と述べた。
国内製造については、コスト面で大きな変化はないとしながらも、輸送日数を短縮することで、「全体から見たら4~5日は短縮できるのではないか」と指摘。さらに製造ネットワークモデルを、「分散ネットワーク型」にすることで、「何かしらの問題が発生した場合にはすぐに他の拠点へと短期的に製造を移管することができる」とし、安定供給への姿勢を示した。
◎ニコン・セル・イノベーション Lonza社と連携し生産体制強化

ニコン・セル・イノベーションは、細胞受託生産市場において受託製造世界最大手のLonza社と戦略的業務提携契約を結んでいる。Lonza社の受託開発・生産の知見を活用し、GCTP/GMPに準拠した生産設備、オペレーション、品質管理体制を整備している。
今回のBMSからの投資に加え、経済産業省の「再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備投資支援事業補助金」に採択され、施設を7500平方メートルから11000平方メートルへ拡張。CAR-T細胞療法の培養室2室と、調整室3室を新設した。
◎ニコン・中山社長「継続的に改善を続ける本当の意味でのパートナーシップが築けている」
ニコン・セル・イノベーションの中山稔之代表取締役社長は、「(BMSとは)“プロセスのここを改善できるのではないか”、“コストを下げられるのではないか”というような、互いのワールドワイドな視点からベストな対応をディスカッションしている。継続的に改善を続ける本当の意味でのパートナーシップが築けている」とし、信頼関係の強さを強調した。