東京科学大 40年には2000台のロボットで実験の集約化・研究クラウド化へ 未来創造センター開所式
公開日時 2026/04/16 04:48

東京科学大学は4月15日、ロボット実験施設「ロボット未来創造センター」の開所式と記念シンポジウムを開催した。2025年10月に学内に設置された同施設では、26年3月にヒト型汎用双腕ロボット「まほろ」を7台含むロボット施設が完成。ロボットによる、細胞培養を含む再生医療などの実験の自動化・大規模化を進めるとともに、将来的にはAIと融合し、ロボット自らが仮説を検証して新たな知見を創出する「自律型科学研究基盤」の構築を目指す。中山敬一センター長は、「日本の強みであるAIロボットの可能性を活かし、新しい科学の在り方を実現したい」と述べた。
同センター敷地内には、既存ロボットを活用する「ロボット実験室」と、新型ロボットの開発などを担う「次世代自動化開発室」を設置した。ロボット実験室では、大量かつ高難度の実験を実施する一方、開発室では理工学分野の技術も活用し、次世代ロボットや無人実験室の開発を進める。技術の成熟に応じて実験室へ導入することで、常に開発と研究が同時進行で進む体制を構築している。

ロボット実験室では、同センターが保有する10台のうち7台の「まほろ」が稼働中。中山センター長は、「1台だけでできることは限られているが、多数台あれば役割分担を持たせることができるため、多数台連携を目指していきたい」と述べた。さらに、ロボット台数を、「2年以内に倍にして20台体制にする。最終的には40年に2000台レベルを目指す」とし、ロボットを活用した研究基盤の強化に意欲を示した。
40年には、次世代汎用AI(AGI)による多数台ロボットの高度制御を実現する構想だ。中山センター長は、「数千台のロボットが稼働していてそこに世界中から研究アイディアが送られてくる。そこでロボットが実験し、そのデータを返す環境を作りたい」と強調。「実験を個別のラボから集約された拠点へ移していく最大拠点を日本に作って、そこに生まれる知の集積や巨大な収益を研究開発に回し、また知の集積を生むというサイクルを回すことで、日本に世界一の科学力を取り戻す」と展望を示した。
◎アステラス製薬・安川会長 再生医療研究のスピードアップに期待
シンポジウムでは、アステラス製薬の安川健司代表取締役会長が登壇し、「ロボットとAIを活用した自律型研究基盤、いわゆるラボオートメーションは、再生医療の研究スピードを高め、新たな科学的発見が得られる可能性が大いにある」と期待を寄せた。
同社と安川電機が設立した合弁会社「セラファ・バイオサイエンス」は本社を同センター内に構え、「まほろ」を活用した再生医療等製品の製造プラットフォーム開発に取り組んでいる。安川会長は、「この創造センターから世界に果敢に挑戦する人材と、社会に貢献できる素晴らしい成果が生まれることを心から期待をしている。アステラス製薬も信頼されるパートナーとして、皆様と共に歩んでいくことをお約束する」と強調した。