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日薬連・安川会長 政策課題の解決に必要なデータがないと「財務省は目先の医療費抑制にいってしまう」

公開日時 2026/05/15 04:53
日薬連、EFPIA、PhRMAの各代表によるパネルディスカッションが5月14日、東京都内で開催した「Ubie Pharma Summit 2026」(Ubieが実行委員長として推進)で実現した。日薬連の安川健司会長は施行から70年以上経過した国民皆保険制度について、「最終的にどういう政策を立て、何を分析するのかといったデータがないから、財務省は目先の医療費抑制にいってしまう」と批判。「それが本当に国民にとって幸せを呼ぶ政策ですか?これこそが大きな“分断”だと思う」と問題提起した。その上で安川会長は、「政治家にしろ、国の役人にしろスーパーマンじゃない。だからこそ、社会でこんな大きな問題が起きていると我々業界団体の一人ひとりが行政に向かって言う必要がある。これが“分断”を解消する1つの大きな力じゃないかと思っている」と強調した。

◎日薬連・安川会長「どういう政策を立て、何を分析するのか」発想力が求められている

安川日薬連会長は、「骨粗鬆症の患者数は1600万人に達しているのに、骨密度を測定する女性ターゲットは年齢層の5%にすぎない。要介護の原因の第3位は転倒による骨折だ。ちゃんと医薬品で介入すれば大腿骨の骨折リスクは28%減る。なんでこれをインテグレーション(一体化)しないのか。早期介入すれば骨折が減り、入院も減り、医療費も減る」と述べた。また、「最終的に(国が)どういう政策を立て、何を分析するのか。そういうところの発想力が求められている」とし、必要なデータの収集・活用こそ”分断“を解決する手立てだと問題提起した。

また安川会長は、施行から70年を経過した国民皆保険に触れ、「国民の平均寿命は大幅に伸び、罹る病気も違ってきた。人口ピラミッドも違う。医薬品に限らず医療技術の進歩もある。70年前と違った世の中になっているのに、今の医療保険制度の枠組みに合わせていくこと自体が難しい」と強調した。さらに、「(皆保険は)国家レベルの仕組みなので、おいそれと方向転換できない。お役人も2年しか同じポジションにないので余計に手がつかない」とも述べ、「政治家の皆さんに、日本にはこういう問題があるんだっていうのを十分わかって頂く必要がある。だからこそ社会問題にちゃんと声を上げ、声に出していきましょう。これは皆さんの責任ですよ。ということをあえて申し上げたい」とのメッセージを発した。

◎EFPIA Japan・岩屋会長 ビジネスのサスティナビリティ「問題が大きくなっている」

EFPIA Japanの岩屋孝彦会長は、「日本の医療保険制度は古いながらも誰もがフリーアクセスで、どんな病気でも基本的に治療が受けられる医療機関のネットワークがちゃんと整っている。非常によくできた仕組みだったと思う」と振り返った。ただ一方で、「よくできた仕組みが回っているうちは、特にいろんな方が声を上げなくても、それほど問題なく治療を受けられた。我々の製薬業界も同じで新薬の薬事承認が通ると薬価がついてきた」と強調。「業界として薬価に文句を言っているが、今の水準で日本の薬価が世界ですごく安いかというとそうでもない。その状況の中で、なんとなく満足いくビジネスが展開できたから、逆に、どうするんだ?という議論になかなか立ちいかなかったという面もあるかもしれない」と述べた。また、米トランプ大統領の最恵国待遇(MFN)価格政策が突如でてくると、「グローバル企業としてビジネスのサスティナビリティを考えたときに、果たしてどんなタイミングでやっていくのかというのは、すごく問題が大きくなっている」との見解を表明した。

さらに、医療保険財政は悪くなっていることに絡め、「皆保険でどこをカバーするかの議論になっている」と述べ、「役人は、この医療は保険に入れる・入れないは決められない。そのプライオリティは患者の声が政治に届いているというのがあるべき姿だが、今この瞬間は本当にそうだったのか? そういうところまで行っていないと問題提起を申し上げる」と述べた。

◎PhRMA在日執行委員会・傳副委員長「やはりVCの勢いが日本と違う」

PhRMA在日執行委員会の傳幸諭副委員長は、「創薬の地がどこかと言えば、米国と中国。中国は目覚ましい勢いで創薬に地になってきている」と強調。日本との違いについて傳副委員長は、「日本は行政がいろいろやろうとしている。確かに行政も大事だが、やはりベンチャーキャピタル(VC)の勢いが日本と違う」と説明。米国のVCはMassBio(Massachusetts Biotechnology Council)に投資して「その創薬をサポートするなどの環境が整っている」と強調した。

また、創薬を支援する構造の違いについては、「環境が“分断”されずにアカデミアがリサーチして、リサーチからクリニカルトライアルを経て製品化されるような流れがある。その中で、失敗しても大丈夫というようなネットワークがあるというところが日本の状況とは違う。そこを今後どうやって作っていくかというのが、近々の日本の課題かなと思っている」と述べた。

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