メディパルHD・渡辺社長 PALTAC子会社化「社会インフラとして持続可能な“新しい供給体制”への進化」
公開日時 2026/05/18 04:51

メディパルホールディングスの渡辺秀一代表取締役社長は5月15日、2026年3⽉期決算説明会に臨み、PALTACの完全子会社化の目的について、「従来の流通モデルから社会インフラとして持続可能な“新しい供給体制”への進化」と説明した。その上で、「意思決定を迅速化し、グループの経営資源を一体的に活用することが必要であると判断した」と強調。期待されるシナジー効果として、次世代物流モデルの構築と提供領域の拡大やデータに基づく事業運営の高度化などをあげ、「個別の会社の集まりではなく、グループ一丸となって“生活のあらゆる場面”を支える強固な企業集団へと生まれ変わる」との方針を明示した。
同社の26年3月期業績は、売上高は前年比4.0%増の3兆8173億円、成長投資関連費用等の影響を除いた調整後営業利益は0.9%増の595億円、経常利益は16.0%増の757億円となった。
◎メディセオ事業 ALCとARの機能強化 データでつながる新たなサプライチェーンを実現

この日の説明会では、事業ごとの成長戦略の取り組み状況が紹介された。メディセオ事業について今川国明取締役(メディセオ代表取締役社長)は、ALCとARの2つの「A」の機能強化に取り組み、ゆるぎない土台の構築に努めてきたと説明。このうちARは、「製薬メーカーに評価される営業を目指し、従来あったレアディジーズチーム、ウイメンズコーディネーターという婦人科チーム、これに加えて新たな専門性を持つニューロサイエンスにも踏みだすことができた」と強調。今川取締役は、ALCとARの2つの「A」をベースに新たな価値を想像するネクストステージへと進めていく方針を明らかにした。
ネクストステージの具体像では、データでつながった「新たなサプライチェーンの実現をめざす」と説明。「ALCを情報のハブとして、川下の得意先から川中の卸、川上のメーカーをデータでつないでいきたい」と述べ、これによりメーカーは廃棄リスクを抑えてニーズにあった製品を安定供給できると主張。得意先の医療機関や薬局は欠品なく供給することが可能になる。さらには必要な医薬品が自動で届く世界を構築することで労働生産性が飛躍的に高まるような世界を実現することが「我々が目指すネクストステージだ」と指摘した。
◎PALTAC事業 連携強化による価値創出を目指す

PALTAC事業について吉田拓也取締役(PALTAC代表取締役社長)は、サプライチェーン全体をデータでつなぎ、連携強化による価値創出を目指す方針を強調した。具体的には、メディパルHDが有する知見・ノウハウ・情報と、PALTACが有する商品・販売・店舗データなどサプライチェーンに点在するデータをつなぎ流通プロセスを最適化する。吉田取締役は、「販売実績などの顕在化したデータに加え、健康関連需要の変化を捉えることで、生活者を起点とした、より高度な売場提案や商品企画支援の実現を目指す」と強調した。また、物流面については、商品特性や供給条件に応じた最適な物流モデルを実現できる体制を構築し物流面での資本効率向上と、異なる物流領域への進出により新たな収益機会を創出するとした。