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バイタルケーエスケーHD・鈴木氏 粗利益率キープに意欲 地域プレゼンス活かしたMRサポートなど推進

公開日時 2026/05/20 04:52
バイタルケーエスケー・ホールディングスの鈴木三尚取締役事業開発担当は5月19日の2025年度決算説明会で、26年度も医薬品卸売事業で業界最高水準の粗利益率をキープすることに意欲を示した。「製薬企業からMR活動をサポートするフィーなどを獲得して粗利益率を上げることに、今のところ成功している」とし、「地域でのプレゼンスを活用したフィーの獲得を今期も行い、利益をあげていきたい」と述べた。医薬品卸の粗利益率は6%前後が多いなか、同社グループは24年度が7.3%、25年度が7.2%だった。同社グループは東北・新潟・首都圏と近畿2府4県を商圏としており、地域に深く根差したネットワークを最大限に活かす。

鈴木取締役は、医薬品卸売事業が抱える課題として、▽仕入原価上昇に伴う粗利益率の低下、▽インフレによる販管費の上昇、▽メーカーによる卸の選別――の3つを挙げた。

◎粗利益率低下対策 一番は「流通改善GLに基づく単品単価交渉」

このうち粗利益率の低下への対策では、「流通改善ガイドラインに基づく単品単価交渉をしっかり行っていくことが、まず第一」と強調した。そして、業界内で最も高い粗利益率に貢献しているMR活動をサポートするフィービジネスや、様々なフィービジネスを26年度も推進する考えを示した。

同社公表の資料には、26年度の新たな試みとして、「減少するメーカーMRの機能を代替するデジタルマーケティング」を展開するとあり、新たな収益源にするとみられる。また、鈴木取締役は、医薬品だけでなく、治療の前後に必要となる医療機器や試薬にも目を向けた「医薬品以外の販売強化」も進める考えを示した。

◎伊勢原ロジスティクスセンターが竣工 3PL事業を一層拡大

販管費の上昇や卸の選別との課題に対しては、▽効率化を推進するDXの推進、▽物流機能の高度化、▽高い付加価値の創出――などで対応する。例えば受領書の電子化や薬局向け新在庫管理システム導入の推進。4月9日に竣工した3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)事業の中核施設「伊勢原ロジスティクスセンター」による3PL事業の一層の拡大にも取り組む。ウィメンズヘルスケアソリューションや、現在IBDを対象に患者・薬剤師・医師をつなぐWebアプリ「おくすりあうん」の導入を積極的に進め、高い付加価値の創出を図る。

これらの施策の結果、26年度は連結業績で、売上高は1.6%増の6200億円、研究開発費16億円を控除する前のコア営業利益は7.4%増の57億円、営業利益は1.8%増の41億円――を見込む。セグメント別の計画は開示していない。

◎25年度業績 医薬品卸売事業の営業利益率は0.86%

25年度連結業績は、売上高は前年度比1.7%増の6104億9700万円、営業利益は29.4%減の40億2700万円、親会社帰属当期純利益は0.7%増の73億6200万円――だった。

大幅な営業減益は、25年度から開始した製薬事業(=未承認薬導入支援事業)で研究開発費12億8000万円などを計上したことが主因。この研究開発費を控除する前のコア営業利益は7.0%減の53億700万円だった。最終利益で増益を確保したのは、ケアネット株式の売却益や政策保有株式の売却益によるもの。

医薬品卸売事業の業績は、売上高は1.5%増の5728億6000万円、売上総利益は0.6%減の411億2700万円、販管費は前年度と横ばいの362億600万円、営業利益は4.7%減の49億2000万円――だった。営業利益率は0.06ポイント低下の0.86%だった。

売上は、新型コロナ関連製品の減少や25年度中間年改定の影響、キャッチアップ接種が終了したHPVワクチンなどの影響を、抗がん剤を中心としたPMP品(旧新薬創出等加算品)や帯状疱疹ワクチンなどの拡大でカバーし、増収とした。利益面は、近畿都市部での競争入札の苦戦による減収影響のほか、物価高騰などを背景とした販管費の増大などにより減益となった。

◎未承認薬導入支援事業 PAH対象に開発中のマルトール第二鉄 上市は「29年以降」

25年度からの新規事業の製薬事業(=未承認薬導入支援事業)では、その第一弾として英国Shield Therapeutics社からマルトール第二鉄(開発コード:ST10)を導入し、同社グループは肺動脈性肺高血圧症(PAH)を対象疾患に開発している。現在、探索的第2相試験を実施している。鈴木取締役は、ST10の上市時期について、「29年以降を予定している」と述べた。

次の導入品に関しては、「ありがたいことに複数の導入品を鋭意検討している。いろいろなご縁から、先生方からドラッグ・ラグ/ロスの製品の要望もある」と明かした。導入品の決め手は、「一番大事なことは医療現場のニーズが非常に高いこと」だと強調。さらには開発後期にあるなど開発の実現可能性が高いことや、同社グループが持つ専門医や臨床医のネットワークを生かせることも検討のポイントになっていると話した。
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