東日本大震災で医師の声 全国から長期処方自粛など多数 メドピア調べ

公開日時 2011/05/23 04:02
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医師コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、東日本大震災で全国の医師が取り組んだことの調査結果をまとめた。調査期間は5月2日~8日。有効回答数は1256件。「停電による連絡網の不通が診療にかなり障害になった」(岩手、50代、一般外科)など被災地での医療の経験談や教訓のほか、後方支援活動で思ったことなどが多数寄せられた。薬物療法の関連では、製薬メーカーの工場被災の中でも被災地に優先して医薬品を送れるように厚生労働省などが長期処方自粛を求めたこともあって、今回の調査でも「長期処方をやめた」といった書き込みが全国から多く寄せられたが、「単純に患者数が倍になり、なおさら被災地になど(応援に)行けない」(埼玉、40代、一般内科)との意見も見られた。

同調査は震災発生後約2か月の時点で実施したものだが、医師の医療行為などの時期が不明確なものが多い。医療ニーズに関するコメントは、現在のニーズと言えるかどうか定かでないことに留意が必要となる。

◎災害時に救急医療提供する病院「カルテの電子化はダメ」との意見も

その上で、調査結果をみると、まず義援金や節電との書き込みが相当数見られた。次に医療関係の取組みをみると、被災地の医師と思われる書き込みでは、「停電による連絡網の不通が診療にかなり障害になり、いかに情報を伝えられるかという通信手段を確保することと患者の移動手段の確保が最重要と思った」(岩手、50代、一般外科)や「普段経験しない病状が多く、初め戸惑った。急性上気道炎をはじめとする呼吸器の炎症が非常に多い。原因は感染ではなく、建材や汚泥が微粒子の粉塵となって舞っているため、これを吸い込むことによる化学的または物理的刺激だった」(宮城、60代、消化器内科等)――との内容のほか、外勤先が福島だった50代の産婦人科医は、「災害時にも救急を行わなければならない病院は、カルテの電子化はしてはダメ」との教訓を寄せた。

また、「病院が倒壊した時の避難、患者搬送マニュアルがないことに初めて気づいた」(福島、30代、一般外科)との書込みの一方で、免震構造で、かつ井戸水や食糧、非常用発電機、1週間分の消耗品などを用意していた病院の医師は「緊急手術は当日から行い、透析患者は周辺病院から受け入れた。免震病棟の威力をまざまざと実感」(茨城、50代、麻酔科)と大災害に準備万全だった経験談を寄せた。

◎「人員不足でボランティアに行けない」も多く


被災地に医療支援に赴いた医師や後方支援した医師からは、「震災後1か月後に支援にいった。避難所のお年寄りは開業医までいく交通手段がなく、結局は避難所で診察・処方を行うことが多かった」(岡山、40代、循環器内科)や「「『やりたい』支援者が現場を引っかきまわしていたのが印象的」(愛媛、30代、小児科)――。また、医薬品も流されて何を服用していたかわからない高齢患者も少なくないとされるが、避難所の巡回診療に駆け付けた北海道の一般内科医は、「非難されてきた方が自分のカルテを持っており、開業医さんの書かれた診療録が全て残っていた。開業医さんの対応に本当に頭が下がった。診療に役立った」との書込みを寄せた。

一方、被災地から患者を受け入れた後の対応に苦慮しているとのコメントも散見され、具体的には「今は返すことができず困っている」(千葉、30代、精神科)や「福島に帰れないのでずっと入院。ちょっと社会的入院っぽい」(群馬、40代、呼吸器内科等)といった内容だった。

被災地に応援に駆け付けた医師の代わりに地元の医療を守っていた医師からは、「地元を守ることも被災地支援のひとつ」(三重、30代、循環器外科)との書き込みが多く、「救急医として現場に行きたい医師はたくさんいることと思うが、行けば自分の病院の医療行為が手薄になるということも認識しておくべき」(神奈川、30代、麻酔科)との意見も少なくなかった。

そのほか、関東地方を中心とした計画停電関係では、「外来や透析などの予定変更に苦労した」(千葉、50代、一般内科)や「防災も大事だが歩いて通える職場が良いと痛感した。計画停電で1日出勤できなかった」(東京、40代、一般内科等)、「電源がなくとも会計できるようにしたい」(千葉、50代、一般内科)――などの書き込みが見られた。また、「義援金を送ったぐらい。ボランティアに参加するには今の職場が忙しすぎて人員が割けない」(東京、50代、麻酔科)など、人員不足や多忙な日常診療のため被災地に行きたくても行けないとのコメントも散見された。
 

 

医師から寄せられた具体的なコメントはこちら

 

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