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杏林製薬・荻原社長 売上に占める新薬比率“25年度に50%以上”目標 「1年前倒しで達成する見込み」

公開日時 2024/05/14 04:50
杏林製薬の荻原豊代表取締役社長は5月13日、2023年度(24年3月期)決算説明会に臨み、医療用医薬品売上に占める新薬比率を“2025年度に50%以上”にする目標について、「24年度に51.0%になると予想している。1年前倒しで達成する見込み」と述べた。ベオーバなどの新薬群が薬価改定を受けながらも堅調に成長し、連結業績の23年度、24年度予想の増収・営業増益にも大きく貢献する状況になった。また、武見敬三厚労相から23年11月に直接要請があった去痰薬・ムコダイン(一般名:カルボシステイン)の増産については、高岡新工場での生産・供給開始が当初予定の24年秋から「前倒しが可能な状況にある」と述べ、夏頃の供給開始に含みを持たせた。

現中期経営計画(23~25年度)では、5つの事業戦略のひとつに「新薬比率の最大化」を掲げている。具体的には過活動膀胱治療薬・ベオーバ、ニューキノロン系抗菌薬・ラスビック、慢性咳嗽治療薬・リフヌア、抗アレルギー薬・デザレックス、喘息治療薬・フルティフォーム――の新薬5製品に注力し、5製品合計で22年度の売上361億円から25年度に560億円へ約200億円引き上げる計画を立てている。

中計の初年度となる23年度の新薬5製品の売上は、予想から約20億円の上振れとなる456億円となった。24年度は薬価改定影響が大きいフルティフォームを除く4製品の成長により、520億円になる見通しだとした。これにより医療用医薬品売上に占める新薬比率は、22年度の42.0%が23年度に47.4%にまで伸長し、24年度に51.0%になる見込みだとした。

◎23年度業績は増収増益 新薬5製品が伸長 供給量増加のムコダインも20.6%増収

杏林製薬の23年度業績は、売上は前年度比5.5%増の1195億円、営業利益は17.4%増の60億円、親会社帰属純利益は12.7%増の53億円――と増収増益だった。新薬5製品を中心に増収を達成。23年4月の薬価改定による7%台の改定影響や、原価率の上昇、希望退職プログラムによる特別損失約10億円の計上などの影響を吸収した。なお、希望退職プログラムはMRなどを除く50歳以上の社員と55歳以上の管理職を対象に23年11月に実施。荻原社長は65人が応募・退職したと報告した。

主要製品の売上は、ベオーバは40.3%増の181億円、ラスビックは99.5%増の49億円、リフヌアは約4倍増の8億円、デザレックスは3.7%増の89億円、フルティフォームは7.1%増の129億円、潰瘍性大腸炎/クローン病治療薬・ペンタサは4.0%減の123億円――などとなった。厚労省からの要請もあって供給量の増加に努めたムコダインは20.6%増の42億円だった。

◎ベオーバ OAB市場の売上、新患獲得率などで1位に

このうちOAB薬物治療のファーストチョイスとなることを目指している最主力品のベオーバは、23年度に過活動膀胱(OAB)治療薬市場で売上1位、新規患者獲得率及び処方患者シェアでも1位となった。25年度までにOAB市場で売上1位になるとの目標を2年前倒しで達成したことになる。25年度の“患者シェア50%”も目標に掲げており、23年度は34%、24年度は45%獲得を目指す。

ラスビックも23年度に経口ニューキノロン系抗菌薬市場における売上シェアで1位となった。23年度の売上シェアは25%で、25年度までに40%を目指す。経口抗菌薬市場は、新型コロナが5類感染症に移行したことで受診行動が回復する一方、AMR対策の推進で呼吸器・耳鼻科での経口抗菌薬の処方は抑制傾向にある。それでもラスビックは、JAID/JSC感染症治療ガイド2023など複数の診療ガイドライン等に掲載されたことも追い風に、処方シェアが拡大した。

◎売上目標未達のリフヌア 服薬継続日数が想定より短いことが原因も「咳が止まったということ」


一方、リフヌアは23年度の売上予想13億円に対して実績は8億円で、5億円の未達となった。理由は、服薬継続日数が想定よりも短かったため。田村徳昭・医薬営業本部長は、国際共同弟3相試験や海外第3相試験で12週時又は24週時の有効性を評価したため、「(臨床現場でも)これに近い服薬日数を想定していたが、これを大きく下回っている」と現状を説明した。ただ、服薬中止の内容を詳細にみると、「味覚障害よりも、咳が止まったということが上回っていた」とし、「想定していた状態とは異なるが、患者さんにとっては良い評価が増えているということ。(服薬継続日数が短いことは)前向きにとらえたい」と述べた。

また田村氏は、リフヌアの22年4月の発売以降、「咳で困っている患者さんはかなりいると肌身に感じでいる」と言い、適切な情報提供活動を推進して、難治性慢性咳嗽治療に貢献していく姿勢をみせた。

◎後発品事業 薬価改定などで4.3%減収 AGの後発品市場内シェア50%以上はキープ

23年度の後発品事業は、売上は4.3%減の366億円だった。23年4月薬価改定によるオーソライズドジェネリック(AG)の減収や、他社への供給品の売上減も響いた。ただ、AGの後発品市場内シェア50%以上との目標はキープし、キプレスAGの後発品市場内シェアは59.7%、ナゾネックスAGは84%、ウリトスAGは61.9%だった。

◎増産要請のムコダイン 高岡新工場での生産に必要な申請手続き「4月に全て終えている」

このほか、荻原社長はこの日の説明会で、厚労省から増産要請を受けているムコダインについて、4月に稼働した高岡新工場(富山県高岡市)でも生産する準備が順調に進んでいることを報告した。ムコダインの生産に必要な申請等の諸手続きは「4月に全て終えている」とし、当初予定していた23年秋頃の供給開始が前倒しになる可能性に言及した。

ムコダインは数量ベースでカルボシステイン市場の約2割のシェアがある。荻原社長はこれまでに、ムコダインを生産している能代工場(秋田県能代市)での増産と高岡新工場での生産で、増産要請に対応する考えを示している。

【23年度連結業績(前年度比) 24年度予想(前年度比)】
売上高1195億3200万円(5.5%増) 1234億円(3.2%増)
営業利益60億1300万円(17.4%増) 65億円(8.1%増)
親会社帰属純利益53億2200万円(12.7%増) 50億円(6.1%減)

【23年度の国内主要製品売上高(前年度実績) 24年度予想、億円】
ベオーバ 181(129) 220
ラスビック 49(25) 64
リフヌア 8(2) 15
デザレックス 89(85) 96
フルティフォーム 129(120) 125
ペンタサ 123(128) 116
キプレス 70(66) 53
ムコダイン 42(35) 43
ナゾネックス 20 (25) -
ウリトス 5(7) 3
ジェネリック計 366(382) 382
 うちキプレスAG 123(133) 118
 うちナゾネックスAG 45(47) 43
 うちウリトスAG 6(7) 5
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