HbA1c国際標準化 「国際治験のリーダーシップとれる状態に」 日本糖尿病学会の門脇理事長

公開日時 2012/04/09 04:02
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日本糖尿病学会の門脇孝理事長(東京大学病院病院長)は4月6日、日本糖尿病協会とサノフィ・アベンティス共催のメディアセミナー「HbA1c国際標準化がもたらす糖尿病医療現場への影響」で行った講演で、HbA1c国際標準化により「糖尿病分野で(日本が)国際共同治験のリーダーシップをとることができるような状態になった」との認識を示した。

同学会は、糖尿病での血糖コントロールの指標となっているHbA1cについて日本独自のJDS値から、世界の多くの国で使用されているNGSP値を使うこととし、4月からは著作物、論文等だけでなく日常の臨床でも用いることになった(当面はJDS値併記)。NGSP値は、JDS値に+0.4を加えた値となる。

これはHbA1cの国際標準化と呼ばれているが、門脇氏は「研究データのみならず、薬剤の臨床開発も国際共同治験が可能となりつつあるが、このような状況(JDS値のまま)では、日本抜きで進行する」おそれを指摘し、さらにデータの信頼性にも関わる問題だとして、早急に国際標準化する必要性があったことを強調した。

そのうえでこの国際標準化による、過去に日本で蓄積されたデータへの影響や、アジアにおける国際共同治験(臨床研究)でリーダーシップをとりたいとする日本の立場への影響に関する本誌の質問に対し、門脇氏は答えた。同氏は国際共同治験に関する影響については「過去のJDS値とNGSP値が同等と考えられてデータ処理されるような誤りがあり、国際共同治験を進めるうえでマイナスとなるリスクがあったが、今回の改定で糖尿病分野で(日本が)国際共同治験のリーダーシップをとることができるような状態になったと考えている」との認識を示した。

これまで蓄積されてきたデータへの影響つにいては、日本での測定値の精度は世界でも優れていることを挙げ、それらデータをNGSP値に換算すれば「国際的に比較可能な形で生きていくことなると思う」と述べた。

「治療見直しの良い機会」 日本糖尿病協会の清野理事長

日本糖尿病協会の清野理事長(関西電力病院院長)は、実地医療への影響について講演し、JDS値とNGSP値を取り違えて「病状を誤解するなどの混乱も起きかねない」と述べ、患者のみならず医療者にも周知が必要だと強調した。そのうえで「患者さんにHbA1cが変わることを説明される時が、治療の見直しの良い機会になると思う」と述べ、治療目標などを再確認し、治療をより良い方向に向けるチャンスになりうることを指摘した。

清野氏は、糖尿病の診療を行う医師(開業医含む)、連携する透析や眼科の医師のNGSP値の周知は比較的進んでいるとの感触があることを説明。一方で、糖尿病の診療をあまり行うことがない医師では「(併記された値を見て)この2つ書いているのは何ですか?ということは起きており、周辺領域ではさらに周知を徹底する必要があるのではないかと思う」と課題を挙げた。

 

 

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