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卸連・中間年改定アンケート 回答社の85%で業務負担「大幅に増加」 本来業務に支障、離職者多く

公開日時 2024/04/26 04:52
日本医薬品卸売業連合会(卸連)は4月25日、会員企業を対象とした中間年改定に関するアンケート結果を公表した。回答企業の85%が中間年改定により業務負担が「大幅に増加した」と回答。「増加した」(13%)を含めるとほぼ全ての企業で業務負担が増えたことが確認された。価格交渉の頻度や在庫管理の業務負担はいずれも回答社全社が“増加した”(「大幅に増加」と「増加」の合計)と回答した。終わりのない価格交渉と関連業務の増大により、医薬品の安定供給や情報収集・提供活動といった本来業務に支障が出てモチベーションが低下し、若手を中心に離職者が多いとの切実な声も複数寄せられた。

卸連は会員企業のうち主に医療用医薬品を取り扱う45社を対象にアンケートを実施した。回答率は100%。調査時期は3月12日~29日。卸連は、中間年改定がもたらす医薬品卸への影響を把握し、政府の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針2024)における中間年改定の位置づけや書きぶりに反映させたい考えだ。

◎価格交渉の頻度 「大幅に増加」が65%、「増加」が35%

中間年改定による業務負担への影響などを5段階の選択式(大幅に増加した/増加した/どちらともいえない/減少した/大幅に減少した)と自由コメントで回答を求めた。

業務負担は「大幅に増加」と「増加」で計98%となり、「どちらともいえない」は2%だった。価格交渉の頻度は、未回答2社を除く43社の回答として、「大幅に増加」が65%、「増加」が35%――。商品マスターの情報更新などの作業負担では全45社が回答し、「大幅に増加」が73%、「増加」が22%、「どちらともいえない」が5%――となった。

◎「1年中価格交渉している状況に陥って心身ともに疲弊」 若手離職、新入社員も入らず

このうち価格交渉やその頻度に関連して、厳しい値引き率の要求などが続き心身ともに疲弊しているとの声が少なくなかった。例えば、「頻回交渉の増加で得意先への負担も大きく、厳しい交渉で心身ともに疲弊している」、「価格交渉の回数も増加、及び厳しい値引き率の要求があり、多くの時間を事務作業に取られ、得意先への情報提供時間がかなり減少している」、「中間年改定を実施したことにより精神的負担も増加した」――などだ。

また、これまでの2回の中間年改定だけでなく、消費増税に係る改定を含めると実質7年間薬価改定が行われている現状に触れながら、「毎年の改定による未妥結減算の影響もあり、4月から9月は価格交渉がメインとなっている。得意先により下期も交渉となり、毎年1年中交渉している先もある。また毎年の改定で最終原価も毎年悪化しており、卸にとっても得意先にとっても厳しい交渉になっている」との指摘もあった。

毎年改定による終わりのない価格交渉と若手の離職を指摘する声も散見された。例えば、「中間年改定で見積もりが終わったと思ったらすぐに次年度の見積もりがあるということで、特に若手のMSの離職が多い。業界のイメージも悪く、新入社員も入ってこない」、「1年中価格交渉している状況に陥って心身ともに疲弊し、仕事にやりがいを感じる前に若手社員の離職につながっている」といった切実な内容だ。

毎年改定で見積書を作成して交渉し続けているうえ、長期にわたる出荷調整・需給調整に係る業務が相まって、モチベーションの低下を招いているとの指摘も少なくなかった。

◎「商品の安定供給が第一ではあるが、価格決定のための業務に時間がとられている」

中間年改定による在庫管理の業務負担は、「大幅に増加」が48%、「増加」が52%(未回答1社を除く44社の回答)――で、回答社全社が“増えた”と答えた。取引先からの返品は「大幅に増加」が31%、「増加」が56%、「どちらともいえない」が13%――。取引先への急配は「大幅に増加」が11%、「増加」が66%、「どちらともいえない」が23%(未回答1社を除く44社の回答)――だった。

返品対応や急配対応の増大に関しては、「薬価改定前に在庫圧縮による急配や返品が発生している」、「医療機関の在庫圧縮による至急配送や、未開封品の返品業務が増大している」、「薬価が上がる商品の出荷調整品が増加し、医療機関からの多量な注文を防ぎ、安定供給を保つためのコントロール作業に膨大な時間を費やしている」などの具体的なコメントが寄せられ、社内の各部門で「普段以上に大きな影響」が生じていると訴える声もあった。

このほか、中間年改定による本来業務への具体的な影響を自由回答で求めたところ、「情報提供業務の減少」や「業務の質の低下」を指摘する回答が多かった。「必然的に見積書作成に時間を割かれることになり、得意先への訪問回数・情報提供回数は確実に減少している」、「本来情報提供しなくてはならない時間の大幅な減少」、「資料作成に多くの時間が割かれており、得意先への訪問頻度や質が低下している」などだ。また、「商品の安定供給が第一ではあるが、価格決定のための業務に時間がとられている」との深刻な声も確認できた。

◎卸連・宮田会長 「中間年改定は廃止を含む抜本的見直し」を 需給調整続く時は“中断”も

卸連の宮田浩美会長はこの日の会見で、中間年改定が継続されることで、国民の医薬品アクセスに影響が出る可能性に言及。「中間年改定で薬価が下がるから困るということだけではなく、医薬品の安定供給に支障が出て、結果的に医療機関、保険薬局、患者さん、さらには国民の安心・安全な生活に影響があるというようなところに御旗を立て、訴えていきたい」と強調した。政府の骨太方針2024を見据えて、卸連として「中間年改定は廃止を含む抜本的見直しを求めていく」との基本方針も示した。

抜本的見直しの方向としては、基本的に廃止を求めていくものの、医薬品卸の業務過多や疲弊の一因となっている長期の需給調整が続いている間は中間年改定を中断する手段もあるのではないかとも提案した。
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