非小細胞肺がんALK陽性患者の約35%にザーコリ使用 発売6か月で

公開日時 2013/05/10 05:01
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ヘルスケアコンサルタント企業のサイニクス社と米国Kantar Healthはこのほど、日本市場におけるオンコロジー治療の最新動向をまとめた。2012年5月29日に発売されたALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん治療薬ザーコリ(一般名・クリゾチニブ)については、発売後約6か月の調査で、ALK融合遺伝子検査の実施率が非小細胞肺がん患者の3割程度にとどまり、同検査で陽性だった患者の中の約35%にザーコリが処方されていることがわかった。一方、乳がんHER2陽性患者では、その9割程度にハーセプチン(トラツズマブ)が第一選択薬として使われていた。

 

非小細胞肺がんと乳がんのファーストライン薬物療法におけるレジメン使用割合の資料はこちら。なお、大腸がん、腎細胞がん、慢性骨髄性白血病、自己造血幹細胞移植適応のレジメン使用割合はミクスOnlineプレミアコンテンツ(有料)に掲載する。

 

この調査結果は、両社が12年11月~12月にかけて国内の各がん種の専門医60~70人へのインターネット調査をまとめたもの。24のがん種に関して最新の治療動向を聞いた。

 

同調査では、ALK遺伝子検査の実施率が低調で、ザーコリが有効な患者群の同定が十分実施されていないことが明らかになった。この点について調査結果の編集責任者のニーシャ・スヴァルナ氏は、「この調査の後に行った13年4月時点でのKOLに対するヒアリング調査では、大規模病院や最先端医療が行われる病院において、非小細胞肺がん患者でのALK遺伝子検査の普及が進んできている」と最新の市場動向を紹介し、「ALK遺伝子検査はEGFR遺伝子検査と併せて実施されている傾向にあり、今後のザーコリの市場への浸透動向を注目する必要がある」との見方を示している。

 

◎乳がん HER2陽性でのハーセプチン使用は9割 米国でのパージェタ浸透率は緩やか

 

次に、乳がんを取り上げる。HER2陽性患者における治療としては、国内ではハーセプチンと化学療法の併用レジメンが標準治療として確立されている。スヴァルナ氏は「ここ数年、安定的に約8割の医師が選択する標準治療として推移している」と説明する()。さらに、ハーセプチン単独使用と合わせると、ハーセプチンはHER2陽性患者の約9割で第一選択薬として使用されていることがわかった。

 

現在注目を集めているのが、ハーセプチンの後継品とされるHER2ヒト化モノクローナル抗体のパージェタ(ペルツズマブ)だ。日本では4月25日の薬食審第二部会で承認が了承され、米国では12年6月に承認を得ている。この新薬の米国市場の導入について、両社の調査から最新動向を見てみる。

 

パージェタは、HER2陽性転移性局所再発の治癒切除不能な乳がん患者に対して、バージェタ、ドセタキセル、ハーセプチンの3剤併用レジメンが、プラセボ、ハーセプチン、ドセタキセルと比べて無増悪生存期間を6か月、有意に改善する結果(CLEOPATRA試験)が発表され、HER2陽性乳がんの第一選択肢となり得る新薬として注目されている。しかし調査によると、パージェタの市場浸透は緩やかで、13年2月時点でも10%未満だった()。

 

調査結果の編集者であるジョシュア・ガルシア氏は、「ハーセプチンとの併用による患者のコスト負担が原因の1つと考えられる」と分析する。また、パージェタと同様にHER2をターゲットとしたT-DM1 (抗HER2ヒト化モノクローナル抗体/薬剤結合抗体、トラツズマブ エムタシン)の開発動向も挙げ、ハーセプチン+タキサン系 vs T-DM1+パージェタvs T-DM1の3群を比較するフェーズ3試験(MARIANNE試験)によって「T-DM1も含めたHER2陽性乳がん患者の治療戦略が定まってくるのではないか」と推測する。MARIAANE試験の結果は、14年にも発表される見通し。

 

調査結果は「Treatment Architecture Japan 2012」にまとめられており、編集責任者がニーシャ・スヴァルナ氏、編集者がジョシュア・ガルシア氏。 

 

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