中外製薬 がん遺伝子パネル検査 AKT阻害薬・トルカプ錠のコンパニオン診断の承認取得
公開日時 2024/03/28 04:48
中外製薬は3月27日、遺伝子変異解析プログラム・FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルについて、アストラゼネカのAKT阻害薬・トルカプ錠(一般名:カパバセルチブ)のPIK3CA、AKT1またはPTEN遺伝子変異を有するHR陽性HER2陰性乳がんに対するコンパニオン診断として承認を取得したと発表した。トルカプは26日付で承認されたもので、フルベストラントと併用して用いる。
HR陽性乳がんは、最も一般的な乳がんのサブタイプで、乳がんの65%以上がHR陽性かつHER2低発現または陰性と考えられている。また、PIK3CA、AKT1、PTENの変異は頻繁に起こり、HR陽性進行乳がん患者の最大50%に認められるとされる。
今回の承認は、FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルによりPIK3CA、AKT1、PTEN遺伝子変異を検出することで、PIK3CA、AKT1またはPTEN遺伝子変異を有するHR陽性HER2陰性の進行性乳がんに対するカピバセルチブの使用について、適応判定の補助を可能にすることを目的としている。
中外製薬の奥田修社長CEOは、「HR陽性、HER2陰性の進行性乳がんの約半数の患者さんが、コンパニオン診断により適切な治療方針の検討ができるようになる。今後も引き続き、コンパニオン診断の拡充により、患者さんの遺伝子変異の状況に基づいた個別化医療の高度化に貢献していく」とコメントしている。
同プロファイルは次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システム。患者の固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における塩基置換、挿入/欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性(MSI)の判定や腫瘍の遺伝子変異量(TMB)の算出を行う。国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることができる。