ヤンセン 二重特異性抗体・アミバンタマブとEGFR-TKI・ラゼルチニブの併用療法 NSCLC対象に承認申請
公開日時 2024/04/09 04:50
ヤンセンファーマは4月8日、EGFR及びMETを標的とする二重特異性抗体・アミバンタマブと経口第3世代EGFR-TKI・ラゼルチニブの併用療法について、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺がん(NSCLC)を対象疾患に承認申請したと発表した。両剤とも日本では承認されていない。ヤンセンのグローバルの固形がんに関する開発責任者であるKiran Patel氏は、「アミバンタマブとラゼルチニブの併用療法は、化学療法を用いない治療として、EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者さんに対する標準的な一次治療に変革をもたらす可能性がある」とコメントしている。
今回の申請は、EGFR遺伝子変異を有する局所進行性または転移性NSCLC患者の一次治療において、アミバンタマブとラゼルチニブの併用療法をオシメルチニブ単剤療法と比較評価する、第3相MARIPOSA試験の結果に基づく。
同試験の結果、アミバンタマブとラゼルチニブの併用療法群はオシメルチニブ療法群に対し、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。PFSの22カ月の追跡期間(中央値)において、オシメルチニブの16.6カ月に対し、アミバンタマブとラゼルチニブの併用療法群は23.7カ月だった(HR=0.70;95%信頼区間[CI],0.58–0.85;P<0.001)。安全性は、これまでのアミバンタマブとラゼルチニブの併用療法に関する報告と一貫していたという。
アミバンタマブは、EGFRおよびMETを標的とする完全ヒト型二重特異性抗体。免疫担当細胞を介して抗腫瘍作用を発揮し、活性化及び抵抗性のEGFR変異、MET変異及び増幅を有する腫瘍を標的とする。日本では2023年11月に、EGFRエクソン20挿入変異を有する手術不能又は再発NSCLCに対する化学療法との併用療法で承認申請した。
ラゼルチニブは、変異がない野生型のEGFRは標的とせず、T790M変異と活性化EGFR変異の両方を標的とする経口第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)。今回のアミバンタマブとの併用療法が日本で最初の承認申請となる。