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糖尿病薬市場 17年に5000億円突破 抗がん剤市場は18年に1兆円突破 富士経済

公開日時 2013/05/20 05:01

富士経済はこのほど、国内の医療用医薬品市場のうち、糖尿病治療薬市場が2017年に5000億円を突破、抗がん剤市場については18年に1兆円を突破するとの調査結果をまとめた。糖尿病治療薬市場では、高齢化による患者増に加え、ガイドラインによる併用療法の推奨・浸透や、併用可能薬剤の多いDPP-4阻害薬の急成長、新規機序のSGLT-2阻害薬の14年頃の登場を、市場拡大の要因に挙げている。抗がん剤市場は、高齢化とがんの早期発見による患者増とともに、分子標的薬の急速な市場浸透や、市場規模の大きい乳がん市場で手術から投薬による乳房温存療法にパラダイムシフトが起こっていることを理由に挙げている。

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糖尿病治療薬の市場規模は12年の3688億円から、17年に5000億円を突破し、21年に5522億円(12年比49.7%増)になると分析した。09年12月に登場した国内初のDPP-4阻害薬ジャヌビア/グラクティブを皮切りに、同阻害薬は現在6成分7品目が販売され、さらに成分数が増える方向にある。富士経済によると、DPP-4阻害薬は12年に前年比71.9%増と急成長し、これに引っ張られる形で糖尿病治療薬市場も13.7%増になったとしている。

さらに、10年に改訂された日本糖尿病学会の科学的根拠に基づく糖尿病診察ガイドラインでは、血糖コントロールが不良の場合の併用療法を推奨しており、これも市場拡大の要因に挙げている。

◎がん関連製剤も拡大

抗がん剤の市場規模は、12年の7691億円が18年に1兆円を突破し、21年に1兆614億円(12年比38.0%増)と予測した。抗がん剤は高価な製品が多く、特許期間中の新薬も多いため、ジェネリックの本格参入がこれから到来するが、それでも分子標的薬を中心に新薬が相次ぎ登場されることで市場は拡大すると分析している。

抗がん剤のうち、今回数字を明らかにしているがん種をみると、乳がん治療薬は12年の1195億円が21年に1994億円(同66.9%増)に拡大し、乳房温存療法への治療の変化を背景要因に挙げた。悪性リンパ腫治療薬は12年の389億円が、21年に602億円(同54.8%増)となり、「分子標的薬の登場で治療が大きく変わった疾患のひとつ」としている。10年代後半にもバイオシミラーの登場が予想されるが、近年上市された新薬や開発パイプラインの状況から、「今後も拡大が予想される」と分析した。

そのほか、がん関連製剤として、制吐剤は12年の296億円が21年に458億円(同54.7%増)に、がん疼痛治療薬は同366億円が453億円(同23.8%増)になると予測した。いずれもがん患者数の増加や抗がん剤市場の拡大とともに拡大する市場であるとし、貼付剤の動向が注目としている。

一方、腎性貧血治療薬市場も調査し、12年の984億円が21年に927億円(同5.8%減)になると予測した。透析治療の診療報酬包括化による治療薬への価格圧力や、10年発売のバイオシミラーへの切り替えの進み具合、さらには透析患者数が17年をピークに減少に転じると見られていることを要因に挙げている。

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