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中外 悪性黒色腫治療薬ベムラフェニブを承認申請 コンパニオン診断薬との同時承認目指す

公開日時 2014/04/10 03:51

中外製薬は4月9日、BRAFV600 遺伝子変異を有する悪性黒色腫を対象に開発した経口BRAF キナーゼ阻害薬ベムラフェニブ(開発コード:RG7204)の承認申請を行ったと発表した。同薬は2012年9月に希少疾病用医薬品の指定を受けている。3月14日にはグループ会社のロシュ・ダイアグノスティックスが同薬のコンパニオン診断薬(海外製品名:cobas® 4800 BRAF V600 Mutation Test)を申請しており、治療薬と診断薬で同時承認を目指す。

 

ベムラフェニブの申請は、海外のフェーズ3(P3)試験と国内P1/2試験の成績に基づく。海外P3はBRAFV600 遺伝子変異陽性で化学療法未治療の転移性悪性黒色腫患者675 人を対象として標準治療薬であるダカルバジン投与群とベムラフェニブ群を比較。ベムラフェニブ群の死亡リスクが63%有意に減少した(ハザード比0.37、P<0.001)。ベムラフェニブの主な有害事象は、関節痛や発疹、疲労、皮膚腫瘍などで、処置や用量変更、休薬で投与が継続できた事象が多かった。国内P1/2では、BRAFV600 遺伝子変異陽性の治癒切除不能および再発悪性黒色腫患者11 人を対象に行われ、同社によると、ベムラフェニブの有効性と忍容性が確認された。

 

ベムラフェニブは第一三共グループのPlexxikon 社が創製した低分子の経口BRAF キナーゼ阻害薬。海外では06 年にロシュ(本社・スイス)とPlexxikon 社の契約に基づいて共同開発が行われた。米国では11 年、欧州では12 年に「成人におけるBRAF V600 遺伝子変異を有する治癒切除不能または転移性悪性黒色腫」の適応で承認済み。国内では中外が11 年にロシュと導入契約を結び、日本での開発・販売権を取得した。

 

申請中の遺伝子検査キットは、がん組織から抽出したゲノムDNA 中のBRAFV600遺伝子変異を検出するもので、リアルタイムPCR 法を測定原理としたBRAF 遺伝子変異検出診断薬として国内初となる。

 

国内悪性黒色腫患者の新規年間罹患数は1300~1400人で年々増加傾向とされる。このうちBRAF遺伝子変異率は26.7~41.8%との報告がある。中外とロシュ・ダイアグノスティックスは、「予後不良でアンメット・メディカルニーズの高い悪性黒色腫に対する新たな治療選択肢であるベムラフェニブとそのコンパニオン診断薬を、患者さんおよび医療従事者に早期に提供できるよう承認取得に向けて取り組む」とコメントしている。
 

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