モデルナ 開発中のPA治療製品・mRNA-3927 レコルダティとグローバル商業化で戦略的提携
公開日時 2026/02/05 04:49
米モデルナは2月2日、開発中のプロピオン酸血症(PA)治療製品「mRNA-3927」(開発コード)について、最終段階の臨床開発と承認後のグローバル商業化を推進するため、イタリアのレコルダティ社と戦略的提携契約を締結したと日本法人を通じて発表した。モデルナはmRNA-3927の承認取得までの臨床開発と製造を引き続き主導し、レコルダティは承認後のグローバル商業化を担当する。
提携契約に基づき、モデルナは5000万ドルの契約一時金を受領し、さらに開発及び薬事関連の短期マイルストーンとして最大1億1000万ドルを受領する可能性がある。加えて、販売マイルストーン及び純売上高に応じた段階的ロイヤルティを受け取る契約になっている。
レコルダティはイタリア・ミラノに本社を置き、希少疾患領域などの治療薬を提供するグローバル製薬企業。モデルナのステファン・バンセルCEOは今回の提携について、「レコルダティは、希少疾患領域における深い商業化の専門性と、PAにおいて確立されたグローバルな商業基盤を有しており、mRNA-3927が承認された際に、その価値をより迅速に患者さんへ届けるうえで大きな力となる」とコメントしている。
mRNA-3927は、正常なヒトPCCAおよびPCCBサブユニットをコードする2種類のmRNAから構成される新規mRNA治療製品。静脈内投与により、PA患者において機能的なPCC酵素の回復を目指すことを目的としている。
◎日本含むグローバル第1/2相試験が進行中
承認申請を目的とした日本を含むグローバル第1/2相試験が進められており、日本ではPAを対象疾患に希少疾病用再生医療等製品の指定を受けている。同試験の初回ヒト試験(非盲検・用量最適化試験)および延長試験の中間データでは、臨床的有用性の可能性を示す初期シグナルが確認されており、治療継続を制限する副作用は「比較的少ないことが示されている」としている。
PAは、世界で約10万~15万人に1人が罹患する重篤な先天性代謝異常症で、高い疾病負荷および死亡率を伴う。PAは、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ(PCC)酵素を構成するαまたはβサブユニット(PCCAまたはPCCB遺伝子)の病的変異に起因し、PCC活性の欠損により有害な代謝産物が体内に蓄積する。臨床的には、生命を脅かす再発性の代謝代償不全(MDEs)や多臓器に及ぶ合併症を特徴とするが、現在、その根本原因を標的とした有効な治療法は存在しない。