アストラゼネカ（AZ）は９月30日、２型糖尿病を対象とする長期コホート研究「J-DISCOVER」を開始したと発表した。2014年の12月から日欧米を含む31カ国で同様のコホート研究を実施する予定であるところ、日本では研究を開始する体制が早期に整ったため、世界に先駆けて登録を開始した。企業主導研究として実施するが、治療薬剤は特定しない。

コホート研究の対象は、経口血糖降下薬単剤での治療を行っている成人２型糖尿病のうち２剤目（経口薬または非経口薬）を検討している患者。国内100施設の糖尿病専門医および一般内科医から2000例を登録し、ベースラインからの血糖値などの変化を観察する。合併症や食事・運動実態も調査項目に含め、３年間追跡する。グローバルで１万5000人規模のコホート研究となる見込みで、全世界、および地域別に解析を行う予定。

同研究について順天堂大学大学院代謝内分泌内科学の綿田裕孝教授は、「併用療法が大半を占め、薬剤の選択肢が広がった糖尿病治療において、医師が２剤目を選択する際の判断材料となる有益な情報を提供してくれるものと期待しています」とコメントしている。