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米FDA MS治療薬Zinbrytaを承認

公開日時 2016/06/24 03:50

米食品医薬品局(FDA)はこのほど、モノクローナル抗体医薬Zinbryta(daclizumab)について成人における再発型多発性硬化症(MS)を適応として承認した。Zynbrytaは、MS患者のT細胞に高レベルで発現し、MSの発症に関与するとされるCD25に選択的に結合するヒト化IgG1モノクローナル抗体である。MS患者は月1回投与の持続性製剤を自己注射する。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のBilly Dunn神経学製品部長は、「Zynbrytaは、MS治療の新たな選択肢を求めている患者にその選択肢を提供出来る」と同剤の登場を歓迎した。


同剤は、重篤な肝障害や非感染性大腸炎・リンパ節肥大など免疫障害などを引き起こす可能性があるため、枠組み警告としてラベルに記載された。また、リスク評価緩和計画(REMS)の対象となり、厳格な副作用管理が行われる。このため、同剤は、2つ以上の既存治療薬で無効だった患者にのみ投与可能となっている。また、枠組み警告にはアナフィラキシー、血管性浮腫など過敏性反応、感染症リスクの増大、うつ症状、自殺念慮なども記載された。


同剤は、米バイオジェン社(本社:マサチューセッツ州ケンブリッジ)が製造、米国では同社と米アッヴィ社との共同販促となる。バイオジェン社のAlfred Sandrock上級副社長兼最高医学責任者(CMO)は、「Zynbrytaは、MSに対する初の月1回投与の自己注射剤である」と同剤の便宜性を強調したうえで、同剤がインターフェロンβ-1aのAvonex筋肉内注射剤と比較して有意差のある良好な成績を示した臨床試験データに言及した。


アッヴィ社のMichael Severino上級副社長(研究開発担当)兼最高医学責任者(CMO)は、「アッヴィ社は特にアンメットメディカルニーズを持つMSを含め、患者の生命に対して意義ある好影響をもたらすことに取り組んできた」とコメントした。
 


 

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