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日本調剤・16年度決算 調剤事業は二桁減益も技術料は改善傾向 M&Aは質を重視

公開日時 2017/05/11 03:50

日本調剤は5月10日、2017年3月期の決算を発表し、調剤薬局事業はC型肝炎治療薬の処方減や薬価改定の影響で、売上高は前年同期比0.8%減の1893億円、営業利益は95億6000万円で10.7%と二桁の減益となった。一方で、改定の影響を加味すれば堅調に推移しており、後発体制加算の取得が進むなど、調剤報酬改定後に技術料が改善傾向であることなどから、18年3月期の増収を見通した。収益拡大に向けて、店舗数増大による処方せん枚数獲得も一つの焦点となるが、三津原博代表取締役社長は、調剤報酬の厳格化が進む中で、「業界再編は当たり前」との考えを表明。「ここ3年間の間で大きく出てくるだろうと思うので、慎重に展開していきたい」と述べ、店舗数だけでなく、M&Aに際しては質と1店舗当たりの売上規模を重視する考えを示した。


2016年度改定では調剤基本料を含めた厳格化が進んだが、三津原社長は「さらにハードルを高めていくだろうと想像している。こなしていけない薬局はマーケットを退場せざるを得なくなる。落ち込んでリカバリーがついていない薬局が大半だ」と見通した。さらにこのマイナスの推移が3年、4年と継続することで、事業を継続できない薬局が登場し、再編が加速するとの見方を示した。


同社のM&A戦略を説明した三津原庸介常務取締役は「M&Aそのものを否定しているわけではない」とした上で、店舗数が5.5%増なのに対し、処方せん枚数も同水準で推移していると述べた。薬価改定の影響が開業医市場の売上へ大きく響くが、「比較的高度な薬学管理をやっている薬局が多いので処方せん単価のダウンのダメージが少ない。3月以降は対前年比でプラスに転じている」と説明。M&Aについては他の大手調剤チェーンに比べ比較的慎重な姿勢を示しているが、M&Aが高騰傾向であることを踏まえて、”メリハリをつけたM&A”を行う考えを示した。


◎医薬品製造販売事業 安売りは“自殺行為” 自社製品承認比率高める


医薬品製造販売事業については、売上高が前年同期比13.0%増の368億2100万円。営業利益は35.5%減の17億1900万円だった。最大生産能力を44億錠から62億錠に拡大する設備投資に加え、先発医薬品メーカーの販売攻勢による熾烈な価格競争が響いた。ただ、内部の売上が全体の1/3を占めており、安定した収益を確保できることの有用性を強調した。


今後は、収益性の高い自社製造品についての増強に力を入れる考え。自社グループの承認品目を2016年3月の388品目から、17年3月には423品目へと増加させた。三津原社長は、販売品目を将来的には1000品目にする姿を描き、特に自社グループの承認品目比率を高める考えを示した。また、後発医薬品をめぐる熾烈な価格競争については、“自殺行為”との見方を示し、「安売り競争に巻き込まれないという強い決心をもっている」と述べた。


海外展開については、「きっぱりない」と断言。「ジェネリックメーカーは、国内メーカーがやればいいと思っている。誰でも作る気になれば作れる。外国まで言ってやる必要はない。外国も自分の国のことは自分でできる」と述べた。


【2016年度連結(前年同期比)、17年度目標、億円】
売上高 2234(1.9%増)、2347(5.0%増)
営業利益 85(18.8%減)、101(18.6%増)
経常利益 80(19.3%減)、98(22.9%増)
親会社株主に帰属する純利益 46(26.7%減)、56(21.6%増)


【2016年度事業別売上高、17年度目標、億円】

(調剤薬局事業、医薬品製造販売事業、医療従事者派遣・紹介事業)

調剤薬局事業 1893(0.7%減)、1967(3.9%増)
医薬品製造販売事業 368(13.0%増)、415(12.7%増)
医療従事者派遣・紹介事業 105(17.5%増)、120(14.3%増)

 

 

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