財政審が建議 社会保障費の伸び5000億円下回る抑制を 新薬創出加算廃止や先発品の自己負担導入など

公開日時 2017/05/26 03:50
  • Twitter
  • 印刷

財務省の財政制度等審議会(榊原定征会長)は5月25日、建議をとりまとめ、麻生財務相に手渡した。2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化に向け、社会保障関係費については、高齢化に伴う自然増を2018年度までの3年間で総額1.5兆円、年換算で約5000億円規模まで抑制する方針を改めて明確にした。その上で、「さらに社会保障費の伸びを抑制しなければならない」とさらなる深掘りを求めた。建議には、新薬創出・適応外薬解消等促進加算の廃止や、先発品の価格で後発品の平均価格を超えた部分の原則自己負担の導入などの改革プランを提示。厚労省側に、改革工程表に明記された検討項目の着実な実施など、さらなる改革の断行を迫り、自然増のさらなる深掘りを求める考えだ。

2017年度の社会保障関連費の自然増は、予算段階で4997億円。概算要求で社会保障関連費の自然増は6400億円を圧縮。さらに「目安」とした社会保障の伸び5000億円を下回ったことについて、「評価したい」とした。その上で、高齢化が進展する中で、医療保険を堅持するためにはさらなる圧縮の必要性に言及。改革工程表に掲げられている項目すべての“着実な実施”を求めた。

◎費用対効果評価で価値ある医薬品の見極めを


薬価制度については、昨年末に4大臣で合意された「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づき、「国民負担の軽減につながるような改革を実行していく必要がある」とした。薬価上でイノベーションを評価する新薬創出加算については、改めて廃止を求めた。

新薬創出加算の要件のひとつが、薬価と市場実勢価格の乖離率となっていることについて、「有効性や安全性といった医薬品の価値とは関係ない」と指摘。「イノベーションの評価といった観点からも問題の多い仕組み」とした。一方で、新薬創出加算に代わる指標として、費用対効果評価の導入を検討することも求めた。客観的に他の医薬品よりも優れた医薬品であれば、必要な加算を行う仕組みを検討すべきとした。新規収載時で、原価計算方式の場合や、類似薬効比較方式で一定の加算が行われる場合には、費用対効果評価を義務付け、費用対効果が悪い場合には価格を下げる仕組みとすることなどを提案した。

また、年度途中で新規収載される医薬品については、「保険財政や国民負担の観点から、財政影響を検証して必要な措置を講じる」ことが必要であると明記した。効能追加などで当初の見込みよりも販売額が増加する場合には速やかに薬価を引き下げる仕組みの必要性を指摘した。


◎後発医薬品の平均価格超は自己負担導入を 選定療養の仕組みを参考に


後発医薬品については、80%目標の達成時期を明言しなかったものの、「できるだけ早期に設定する」と明記。さらに、後発医薬品の平均価格を超える部分については、差額ベッドなど付加価値あるサービスに追加料金を支払う選定療養の仕組みも参考に原則、自己負担で賄う仕組みの導入を提案した。また、生活保護受給者における後発医薬品の使用促進も盛り込んだ。生活保護受給者の処方は、後発医薬品が原則となっているが、自己負担がなく処方されることもあり、依然として先発医薬品が数量ベースで3割程度ある。そのため、自己都合で先発医薬品を使用する場合は、差額について一定の自己負担を求めるなど、実効性のある改善策を講じるべきだとした。


診療報酬・介護報酬改定については、1995年度を起点(100)としたときに、2015年度の賃金指数は101、消費者物価指数は103。一方で、診療報酬指数は110まで伸長している。改定率は医療経営実態調査を踏まえて議論されることになるが、賃金・物価が下落する中で、診療報酬は伸び続けており、ギャップが依然として大きいと指摘した。

そのほか、都道府県のガバナンス強化の必要性も指摘。医療費適正化計画で、高齢者の多剤投与などの実態への取り組み強化や、標準的な診療ガイドラインの策定を通じて地域差を縮減していくべきとした。
 

関連ファイル

関連するファイルはありません。

 

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(7)

1 2 3 4 5
悪い   良い

 

 

広告

広告

広告

広告

広告

広告

市場に密着した医薬情報&マーケティング誌

 

12月号特集
(Promotion)

デジタルヘルス時代を占う企業戦略

自前主義から脱却 他業種連携を探る

 

 

12/1発行

バックナンバー

 

ミクス編集部のtwitter

 

ミクスOnlineのモバイルサイトは下記QRコードよりアクセスしてください

QRコード

http://mobile.mixonline.jp/