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ファイザー 新規の乳がん治療薬イブランスを新発売 世界初のCDK4/6阻害薬

公開日時 2017/12/18 03:51

ファイザーは12月15日、新規機序の乳がん治療薬イブランスカプセル25mg、同125mg(一般名:パルボシクリブ)を同日に新発売したと発表した。効能・効果は「手術不能または再発乳がん」で、閉経の有無にかかわらず使用できる。ホルモン療法剤フェソロデックス筋注250mg(同フルベストラント)と併用して用いる。

通常、成人には1日1回125mgを3週間連続して食後に経口投与し、その後1週間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。患者の状態により適宜減量する。薬価は25mg1カプセル が5576.40円、125mg1カプセルが2万2560.30円。

同剤は、サイクリン依存性キナーゼ4および6(CDK4/6)とサイクリンD複合体の活性を選択的に阻害する世界初のCDK4/6阻害薬と呼ばれるファースト・イン・クラスの新薬。CDK4/6は細胞周期の調節に主要な役割を果たしており、細胞増殖を引き起こすが、同剤がCDK4/6を選択的に阻害して細胞周期の進行を停止させ、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。

臨床試験では、ホルモン受容体(HR)陽性かつヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)陰性の進行・再発乳がん患者に対して高い有効性と忍容性が認められ、無増悪生存期間は標準治療と比較して約2倍延長することが示されている。

■17年の世界売上は30億ドル以上に

同社の中村誠・取締役執行役員オンコロジー部門長は、「すでにイブランスが発売されている国々では、これまでの進行・再発乳がんの標準治療である内分泌療法単剤による治療から、多くの患者さんが本剤(イブランス)との併用療法を使用され、予後不良の進行・再発乳がん治療が大きく進展している」とコメント。日本でも適正使用情報の提供に尽力しつつ、乳がん治療に貢献したいとしている。

イブランスは2015年2月に米国で承認されたことを皮切りに、世界70か国以上で承認されている。2017年上半期の世界売上は15億ドル、17年9月までの第3四半期累計売上は24億ドルで、通年では30億ドル超の売上となる見込み。中医協資料によると、日本では5年後のピーク時で売上224億円が見込まれている。

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