日薬連 新薬創出等加算の要件「妥当」と回答の企業はゼロ 全理事44社対象調査

公開日時 2018/04/17 03:52
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日本製薬団体連合会(日薬連)は4月16日の医薬品産業に関するハイレベル官民政策対話の初会合に、2018年度薬価制度抜本改革について、全理事会社44社(回答:34社)を対象に行ったアンケート調査の結果を提示した。調査結果によると、新薬創出等加算の企業要件・品目要件について、「妥当である」と回答した企業はなく、企業要件の撤廃などを求める声があがった。一方で、長期収載品については、「長期収載品依存からの脱却の基本的方向性に全く異論はない」など妥当として容認する答えも多数みられた。

調査は、2018年度薬価制度抜本改革で影響のある新薬創出等加算、長期収載品、後発品、基礎的医薬品など7項目について全理事会社を対象に、e-mailで調査を行った。調査期間は2018年2月19~28日。

◎新薬創出等加算 企業要件撤廃求める声 ランキング付けに懸念も

薬価制度抜本改革に向けた基本方針では、長期収載品ビジネスモデルから脱却し、高い創薬力を持つビジネスモデルへと転換することを求めた。調査結果からも、業界がこうした方向性に一定の理解を示していることが読み取れる。

こうした中で、厳しい声が噴出したのが、この日も日米欧製薬団体が品目要件・企業要件の再考を求めた新薬創出等加算だ。特に企業要件について意見が集中。「医薬品の価値は品目で決まる。それ以上の要件は不要」、「大手企業に有利な指標となっており、国内から画期的な新薬を上市する中堅規模以下の企業が評価されない。開発の空洞化につながりかねない」、「区分として製薬企業をランク付けすることは、企業の株価等への二次的影響が大きい」などの指摘が相次いだ。品目要件については、3年、3番手以内が対象となるが、「年次や番手で定義づけることは、本来の医薬品の価値ではない」との声が寄せられた。

企業要件、品目要件共に撤廃を求める声もあがった。品目要件については、「対象疾患で唯一の作用機序を有する品目や世界に先駆けて日本で承認された品目は加算対象とする、新規収載時の評価だけでなく、市販後データや効能追加による有用性を含めて評価する等、改善が必要」、「平均乖離率を使用することが妥当であり、戻すべき」などの声もあった。

◎G1・G2ルール、長期収載品の引下げには一定の理解も

一方で、長期収載品の後発品置き換え時期や、G1(後発品の置き換え率が80%以上)・G2(同・80%未満)にわけた段階的に引下げが新たに導入されたことについては、「新薬開発に注力する製薬会社として、長期収載品に依存しない事業環境に導く基本的方向性としては支持するが、新薬開発促進の観点から特許期間中の新薬の薬価を維持する仕組みとセットで考えられるべき」、「G1品目が市場から撤退する際の仕組み、特に先発品メーカーが担ってきた安全性などの情報の収集及び提供を後発品メーカーに引き継ぐ仕組みについては、早急に整える必要がある」などの声が寄せられた。

ただ、「2018年度の影響額は大きくなくても5年後、10年後には大幅な薬剤費の抑制額となり、企業経営の根幹を揺るがしかねない」、「長期収載品が担ってきた安全性情報の取り扱いが残されたまま後発品薬価と揃えることは、先発品企業の負担増になりフェアではない」などの指摘も。外用薬や貼付剤、点眼薬など、具体名をあげ、後発品の置き換え率が低い背景に製品の改良などを通じ、市場からの評価を得ているケースもあると理解を求める声もみられた。

◎長期収載品の薬価引下げ激変緩和措置 「影響は甚大」との声も


そのほか、長期収載品の薬価の見直しにより大きな影響を受けることが想定される品目・企業には激変緩和措置も講じられた。「影響は甚大であった。50%では激変緩和とは言えない」などの声があがり、制度化への要望や十分な移行期間を求めた。

後発品の価格を収載から12年経過後に原則1価格帯とすることについては、「現行でも多くの後発品が1価格帯で、大きな問題とはならないのではないか」など容認する声があがった。一方で、「過度な値引きで販売している品目により、そうでない品目の改定薬価が引き下げられる制度はきわめて公平性にかける」、「医療機関の利益につながる薬価差が生じる現行の薬価制度は見直すべき」などの指摘もあがった。

そのほか、基礎的医薬品の対象範囲拡大については、全企業が「妥当」とし、さらなる対象拡大を求めた。
 

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