東和薬品・吉田社長 健康事業への参画に意欲 地域包括ケアシステムを支援

公開日時 2018/05/16 03:52
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東和薬品の吉田逸郎代表取締役社長は5月15日、後発品80%以降のジェネリックメーカーの姿を踏まえ、“健康事業”への参画に意欲をみせた。2018年度からスタートする新中期経営計画で、新規事業に位置付ける。吉田社長は、後発品80%目標達成後の20年、25年を見据え、「安定供給体制の責任が重くなる中で維持しなければならない」とした上で、「プラスαで、健康関連事業を考えている」と表明した。高齢化が進展し、地域包括ケアシステムの構築が求められる中で、「情報のコントロールはどうするのかを考えると、情報網、システムが必要になってくるのではないか」と述べ、ITの活用も視野に入れた新規ビジネス展開への期待感も示した。

◎企業理念を「健康への貢献」鮮明に 健康寿命延伸や未病への取り組みを検討へ

吉田社長は、東和薬品の目指す「世の中や地域社会に必要とされる企業」となるための柱として、ジェネリック医薬品事業に加え、健康関連事業を掲げた。企業理念である「人々の健康に貢献する」を具現化したい考え。これまでの社是にあった“医薬品を通じ”という言葉を除き、医薬品だけでなく幅広く健康増進に貢献する企業としての姿勢を鮮明にした。

高齢化、生産年齢人口の減少が重くのしかかる中で、健康寿命の延伸は国全体の課題と言える。日本医師会が日本健康会議への参画するなど、医療界もすでに動き始めている。こうした状況を踏まえ、健康寿命の延伸や健康維持、病気になる前に健康状態に戻す“未病”への取り組み、さらに直近に迫る地域包括ケアシステムへの対応などについての検討を進める。

吉田社長は、「薬を通じて、病気の患者さんにできるだけ健康になってもらう。そのために東和薬品として貢献する」と製薬メーカーとしての使命を語った。その上で、高齢化が進展する中で、「未病の人が病気にならないように何ができるのか。健康な人が病気にならないよう、健康を維持できるように会社から提案していこうということ」と述べた。

地域包括ケアシステムの構築により「医療の仕組み、システムがずいぶん変わってくる」との見方を表明。これまでの病院完結型医療から在宅医療へとシフトする中で、ステークホルダーも医師や薬剤師などの医療従事者だけでなく、ケアマネジャーやヘルパーなど介護職まで広がる。職種の垣根を越えたステークホルダーの連携が求められる中で、「情報のやり取りも必要になる。医療システムの中で円滑に進めていくものが必要になっていく」との考えを述べ、医療・介護の垣根を越えた連携を企業としてサポートする姿勢を示した。

こうした医療・介護現場の変化に、薬価制度改革の影響も加わり、医療現場から求められる後発品の“品揃え”が変わってくる可能性も指摘した。同社では、医療従事者と協議し、有効性・安全性に加え、効率性も含めて同種同効薬を評価する“東和版フォーミュラリ”の策定も進めており、医療従事者が代替品で十分と判断した場合には生産を中止するなどの取り組みも進めている。


◎パッケージ化戦略で新興国市場への展開も視野


吉田社長は、ジェネリックメーカーの姿として、価格の安さのみを追求するのではなく、「確かなポジションを確立するには、品質を全く違うものに進化させないといけない」と表明。中期経営計画でも、高い付加価値を提供できる新製品を開発し、“製品総合力ナンバーワン”を目指すと強調した。こうした付加価値製剤を武器に米国への海外展開などを見据える。内閣官房の進める国際医薬パートナーシップで、新興国へ必要な支援について、後発品の製造を含めたパッケージ化戦略の検討も進められており、こうした流れも踏まえた海外展開を検討する。

同社の策定した新中期経営計画(2018~20年度)「PROACTIVE」では連結売上高(単年度)1000億円の達成、営業利益(累計)300億円以上などを目標に掲げた。吉田社長は、薬価改定がビジネスに与える影響を指摘し、19年10月消費増税に伴う改定、そして21年度から毎年改定がスタートによる影響の大きさも口にした。

◎18年3月期 売上高934億3000万円 直販と医薬品卸の“東和式”で新規顧客開拓が寄与

2018年3月期の決算は、売上高934億3000万円で、16年度に比べ10.0%伸長した。13年以降に追補収載されたピタバスタチンCa・OD錠やバルサルタン錠などが順調に推移した。さらに17年度から販路を見直し、代理店と営業所による販売体制から医薬品卸との協業で、“東和式販売体制”を構築した。これによる顧客を新規開拓できたことが売上増につながった。販路別の売上高でも、代理店比率が低下し、医薬品卸は一年間で12.5%まで拡大した。同社の内藤泰史取締役は、「一番ポジティブなのは、カバー率が上昇したこと。新規顧客を開拓できた。今期も順調に進むのではないか」と見通した。

一方で、18年度薬価改定で想定以上の切込みが入ったことも指摘。「特に今回は薬価が不透明な面もあって、ジェネリック全体に薬価が刺さった。医療機関自体の買い控えは想定以上だった」と述べ、薬価改定の打撃が計画達成を阻んだと説明した。

営業利益は対前年同期比で69.5%伸び、116億4300万円。研究開発費が17年3月期の94億円から77億円へと低下するなど販管費の低下が寄与した。純利益は16.5%増の64億9500万円。連結子会社の大地化成での業績見通し、将来の投資可能性を検討し、特別損失として固定資産の減益損失として18億円を計上している。

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