EMA 企業へ市販後安全性試験のアドバイス普及で試行事業
公開日時 2015/08/07 03:50
欧州医薬品庁(EMA)は、市販後安全性試験(PASS)の際に製薬企業が適切なアドバイスを当局に積極的に求められるようにする12か月間にわたる試行事業をスタートさせる。EMAが7月28日発表した。
今回の試行事業は、EMAのファーマコビジランスリスク評価委員会(PRAC)の専門技術・知識をベースとして実施されるが、法律で製薬企業に対し課されているPASSとは別に製薬企業には自発的かつ任意の事業で承認条件とはならない。同事業の目的は、市販後安全性情報を収集するための臨床試験デザインの改善に役立たせることである。
通常、EMAは、科学的アドバイス実務グループ(SAWP)を通して、科学的に適正でベネフィットリスク評価の適切なデータを生むための臨床試験デザインに役立つよう製薬企業に科学的アドバイスを提供している。今回の試行では、SAWPも体系的に組み込み活用する考えだ。
現在、PRACは、義務化されているPASS試験のプロトコールを是認していおり、非義務的なPASS試験についてはプロトコールを審査できることになっている。今回の試行によって、EMAは、早期あるいは当該試験のプロトコールを作成するいかなる時期においても製薬企業が試験デザインについて質問をできるような新たなオプションを提供することになる。このことは、このプロセスを通して、効率化を促し、企業と当局のコミュニケーションが深まると同時にプロトコールの審査時間を短縮させることを意味する。
EMAは、今回の試行が、科学的製薬企業がアドバイスを求めることで高品質の安全性試験を実施させ、医療現場での有用な医薬品情報を活用して、開発者を支援することになると期待感を示している。