【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

米・高額薬剤問題で保険者の予見性確保を 米専門誌

公開日時 2016/04/26 03:50

高薬価医薬品について、保険者は、医療財源を圧迫すると反発するが、高価な医薬品が市場に出る前に医薬品企業が保険者に薬価を含めた新薬情報を提供することで、両者の対立が回避できる可能性があると米専門誌「Morning Consult」4月19日付が報じた。

近年、アンメット・メディカルニーズに焦点を当てた薬剤やバイオ製剤、化学構造が複雑な薬剤などが次々に登場している。公的保険ばかりでなく民間保険にも大きな財政的な圧力がかかる。保険者にとっては、年間の保険料率を決定した後に、高価な新薬が市場に参入することになる。当然ながら、事前にその新薬の保険計画を立てることはできない。

保険会社America’s Health Insurance PlanのClare Krusing氏(広報担当)は、「仮に、9月あるいは10月に新薬が発売されると、我々は、これらのコストがどのくらいになるか分からない。保険計画では、その料率を予想できないし、計画の要素にも入れられない。これは保険料への大きな圧力になりうる。そして、患者の支払いにも大きな圧力になる」と話している。つまり、保険者は新薬については、予見性を確保できないことが問題となる。

現在、医薬品企業と保険者が求めるような情報交換をどうやって行うかというルールはない。しかし、製薬企業は、そのような情報交換を行うことで、少なくとも高薬価な医薬品が市場に参入することへの急激なショックを緩和するであろうことには同意している。しかも、製薬企業は、薬価問題がメディアのターゲットであり、連邦議会の調査対象となっていることを承知している。

PhRMA(米国研究製薬工業協会)のJef Francer副理事長は、「保険支払者からは、料率を決める作業を始める1年半ほど前に新薬の情報を通知してくれれば驚かないと言われている」と話し、「我々は、パイプライン情報を彼らが今知るよりももっと前に伝えることが重要だ」と述べ、早めに情報提供する考えに賛成している。

このような情報提供を円滑にするためにFDAも規制を改定する予定。連邦議会では、すでに下院を通過した「21世紀の治療法」案は、FDAに医薬品承認前および後に製薬企業がどのように科学的および医学的情報を保険者に伝達するかのガイダンスを発行することを求めている。

問題は、高薬価となるスペシャリティドラッグがどの程度後期ステージにあるかである。現在後期ステージにある630件の開発プログラムのうち、37%がスペシャリティドラッグだという。

Francer副理事長は、「私は、企業が、画期的新薬がFDAに承認されるときに支払者が驚かないように前向きにフランクに情報交換できるものと信じている」と話し、懸念は無用との考えを示した。

なお、「Morning Consult」は、米議会情報およびヘルスケア・エネルギー・ITなど議会と関わり合いの多い業界の情報に特化したメディアである。

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(1)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー