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自民・厚労部会 医療法等改正案了承 検査精度確保でゲノム医療実用化へ 次期改定の論点に

公開日時 2017/03/06 03:51

自民党厚生労働部会は3月3日、医療法等の一部を改正する法律案の審査を行い、了承した。改正案には、ゲノム医療の実用化に向け、遺伝子関連検査の精度を向上させるため、検体検査の精度管理の基準を明確化することを盛り込んだ。抗がん剤などの高額薬剤問題を契機に、最適な患者に最適な治療を届ける”最適使用”の推進が重視される中で、ゲノム情報を活用する必要性も高まっている。改正案は、ゲノム医療を保険診療の枠組みの中に位置づけることを見据えたもの。次期診療報酬改定でも、ゲノム医療の実用化は論点の一つとして、早ければ今夏にも議論の俎上にのぼるとみられている。改正案にはこのほか、東京女子医大や群馬大学医学部附属病院での医療事故があったことを踏まえた特定機能病院におけるガバナンスの強化、医療に関する広告規制の見直し、持ち分なし医療法人への移行計画認定制度の延長などが盛り込まれた。法案は、10日にも閣議決定される見通し。


ゲノム医療をめぐっては、米国ではプレシジョン・メディシンが提唱されるなど、欧米でも施策が打たれている。日本でも、高額薬剤問題を契機に最適使用の推進を打ち出した。欧米がさらにゲノム医療推進に向け、医療ICTを活用した基盤整備や法整備などに取り組む中で、医療の最適化や創薬の観点からも、日本も欧米の流れに追随する必要性が高まっている。

医師の指示で行う遺伝学的検査も、国内では欧米に比べて実施できる項目が少ないことも指摘されている。BRCA遺伝子検査や、乳がんのオンコタイプDXなど、すでに有用性が確立し、普及が進んでいる検査も、国内では医療保険制度への導入が見送られてきた経緯がある。こうした中で、厚労省は2月28日に、がんパネル、DNAシークエンサー、解析プログラムから構成されるがん関連遺伝子パネル検査システム(シスメックス社)を世界に先駆けて日本で実用化される革新的医薬品・医療機器が取得できる、先駆け審査指定制度の対象品目に指定した。同システムは、早期の保険適応が見込まれ、プレシジョン・メディシン推進の一手となることも期待されている。こうした中で、法整備の必要性も高まっていた。


改正案では、ゲノム医療実現に向けた検体検査の精度を確保するために、①医療機関、衛生研究所などの医療機関が検体検査業務を委託する者の精度管理の基準の明確化、②医療技術の進捗に合わせて検体検査の分類を柔軟に見直すため、検査の分類を厚生労働省令で定めることを規定――することを盛り込んだ。医療機関内で実施する検体検査については、これまで品質・精度管理について法律上の規定がなかったが、基準を定めるための根拠規定を新設する。また、ブランチラボや衛生研究所に業務委託される検体検査については、品質・精度管理にかかわる基準を省令で定める旨を明確化し、精度管理にかかわる行政指導などの実効性を担保する。医療法に加え、臨床検査技師等に関する法律も該当部分を改正する。

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