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京大とNTT 「新医療リアルワールドデータ研究機構」を設立 医薬品開発への発展に期待

公開日時 2020/02/04 04:52
京都大学とNTTが2月3日、「新医療リアルワールドデータ研究機構(PRiME-R)」を設立し、リアルワールドデータ(RWD)を活用した全く新しい産学連携の取り組みを実施すると発表した。日常診療でのRWDを極めて高いセキュリティーレベルで管理・統合・解析し、医療の最適化と医療実態の可視化を図る。これにより医療技術の向上と効率的な医薬品・医療機器開発につなげ、次世代医療の発展に貢献する考え。

◎「サイバーオンコロジー」技術を開発 PROも統合 日常診療のRWD・DB構築

京都大学医学部附属病院とNTTの子会社であるサイバー・ラボは、電子カルテにおける抗がん剤治療のデータをデータベース化する「サイバーオンコロジー」技術を開発し、異なる電子カルテのデータも統合できるシステムに発展させてきた。また、CTなどの画像データや患者が自発的に報告する「Patient Reported Outcome」(PRO)もサイバーオンコロジーに統合するシステムを開発し、これまで不可能に近いと言われていた日常診療におけるRWDのデータベースを構築した。

◎製薬企業のRWD利用する場合は「提供に必要なコストを負担」

今回のプロジェクトで京都大学は、サイバーオンコロジーの技術を活用し、多くの医療機関と協力しわが国におけるRWDを迅速かつ効果的に利活用することができる高度な管理体制を構築。継続性のある研究基盤をNTTと共同で実施する。本事業においては、患者と医療機関へのサービスの提供を主な柱とする。製薬企業などがRWDを利用する場合は、提供に必要なコストを負担するだけで、それを同事業の基盤強化、持続可能なインフラ整備等に充てることができる。製薬企業としては、治験症例事前調査やリクルート、市場調査、市販後調査、薬事承認申請などに利活用できる。

京都大学とNTTの両社は今回のプロジェクトについて、「このように公益性のある事業を展開するには、患者に十分な説明と同意が必須であるとともに、患者の個人情報やプライバシーの保護など、個々人の尊厳や倫理の遵守が最も重要になる」と強調した。京都大学としては、「より高度な倫理性の確保のために、京都大学が直接出資する京大オリジナル株式会社による種類株式の保有を通じ、PRiME-Rの事業活動の倫理面を規律する仕組みを通じて医療情報の適正な利活用を担保して参りたい」とコメントしている。
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