【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

武田薬品・ウェバー社長CEO 22年度業績「史上初の売上収益4兆円超え」 成長製品・新製品が業績を牽引

公開日時 2023/05/12 04:51
武田薬品のクリストフ・ウェバー代表取締役社長CEOは5月11日、2022年度決算説明会に臨み、「トップラインの売上収益が当社史上初めて4兆円を超え、Core売上収益は3.5%の成長だった」と強調した。業績伸長の要因は、売上収益全体の40%を占める成長製品・新製品が19%成長(CERベース)したことをあげた。一方で23年度業績見通しについては、ビバンセやアジルバなど独占販売期間満了に伴う大幅なマイナス影響と新型コロナウイルスワクチンの減収により、「Core売上収益は1桁台前半%の減少を想定している」と厳しい見方を示した。

同社の22年度業績は、Core売上収益が4兆275億円(前年比3.5%増)、Core営業利益1兆1884億円(同9.1%増)となった。売上収益は成長製品と新製品の伸長によるもので、懸案とされた「ベルケイドの後発品参入による影響を上回る」ものだったという。また、財務ベース売上収益は12.8%成長となり、「為替影響およびビジネスの勢いは、前年度に計上した帝人ファーマへの糖尿病治療剤ポートフォリオの売却影響を上回った」とも報告した。

フォーカスリアごとに成長製品・新製品の売上をみると、まず、消化器系疾患は対前年比9%増。成長製品のエンタイビオは+15%、アロフィセルは+36%となった。希少疾患は対前年比5%増。うちタクザイロは+25%。新製品のLIVTENCITY(Maribavir)も貢献した。血漿分画製剤・免疫疾患は15%増。成長製品の免疫グロブリンは+16%、アルブミンは+19%。オンコロジー領域は対前年比14%減となったものの、アルンブリグは+35%、新製品の経口チロシンキナーゼ阻害薬「EXKIVITY」も貢献した。ニューロサイエンスは対前年比12%増。このほか、その他領域では、デング熱ワクチンのQdengaがインドネシア、EU、英国、ブラジルなど複数の国で承認されたことも業績伸長に寄与した。

◎23年度業績見通し ビバンセやアジルバなど独占販売期間満了で売上収益への影響を見込む

23年度業績予想については、ビバンセやアジルバなど独占販売期間満了による売上収益への影響を見込む。ウェバー社長CEOは、「これらは一時的な逆風であり、成長製品・新製品の勢いや中長期的な成長を生み出すと期待される。パイプラインには影響しない」と断言した。一方で、2022年度の新型コロナウイルスワクチンの売上収益589億円に対し、23年2月に日本政府とのヌバキソビッド筋注の供給契約も取り消しとなったことを踏まえると売上収益は減少すると想定した。このためCore売上収益は「一桁台前半%の減少」と見込んだ。

また、長期的成長についてウェバー社長CEOは、「将来の成長に必要な投資は続けていく。研究開発やデータ技術への投資を継続し、タケダの長期的な競争力を確保したい。コア営業利益は10%台前半の減少を見込むが、絶対額は1兆円を超える予想だ」と強調した。

【22年度連結業績 (前年同期比) 23年度予想(前年同期比)】
売上高 4兆274億7800万円(12.8%増) 3兆8400億円(4.7%減)
営業利益 4905億500万円(6.4%増) 3490億円(28.8%減)
親会社帰属純利益 3170億1700万円(37.8%増) 1420億円(55.2%減)

【22年度のグローバル主要製品全世界売上高(前年同期実績) 23年度見込み 億円】
消化器系疾患
エンタイビオ 7027(5218) 7880
タケキャブ 1087(1024) 1320
レベスティブ 931(758) 1060
DEXILANT 694(508) 360
PANTOLOC/CONTROLOC 455(403) 430
リアルダ/MEZAVANT 237(265) 260
PENTASA 84(202) -
RESOLOR/MOTEGRITY 182(130) 190
アロフィセル 27(18) 40

希少疾患
アドベイト 1182(1185) 1720〈アディノベイトとの合計〉
アディノベイト 666(607)
ファイバ 413(392) 370
RECOMBINATE 128(123) 100
ボンベンディ 122(-) 150
HEMOFIL/IMMUNATE/IMMUNINE 196(177) 170
タクザイロ 1518(1032) 1580
エラプレース 853(731) 840
リプレガル 667(517) 760
ビプリブ 484(424) 510
フィラジル 246(267) 200
CINRYZE 184(193) 160
LIVTENCITY 105(13) 120%to150%

血漿分画製剤(免疫疾患)
免疫グロブリン製剤 5222(3859) 10%to20%
アルブミン製剤 1214(900) 5%to15%

オンコロジー
ベルケイド 278(1100) 60
リュープリン 1113(1065) 1090
ニンラーロ 927(912) 910
アドセトリス 839(692) 940
アイクルシグ 472(349) 480
ベクティビックス 258(247) 260
アルンブリグ 206(136) 290
ゼジューラ 129(80) 140
カボメティクス 79(64) 100
EXKIVITY 37(10) 70%to100%

ニューロサイエンス
バイバンス 4593(3271) 2830
トリンテリックス 1001(823) 1080
インチュニブ 164(189) 340
ADDERALL XR 286(209) 170
ロゼレム 87(117) -

その他
アジルバ 729(763) 300
ロトリガ 167(327) -
ホスレノール 135(136) 100
ACTOVEGIN 158(134) -

【22年度の国内主要製品売上高(前年同期比)、億円】
消化器系疾患
エンタイビオ 135(19.3%増)
タケキャブ 935(1.1%減)
レベスティブ 58(267.7%増)
アロフィセル 1(-)

希少疾患
アドベイト 41(28.3%減)
アディノベイト 142(3.9%減)
ファイバ 7(8.3%増)
タクザイロ 13(-)
エラプレース 3(68.1%減)
リプレガル 88(282.6%増)
ビプリブ 11(14.8%減)
フィラジル 16(6.3%減)

オンコロジー
リュープリン 254(7%減)
ニンラーロ 66(8.6%増)
アドセトリス 127(10%増)
ベクティビックス 258(4.5%増)
アルンブリグ 18(70.1%増)
ゼジューラ 106(58.8%増)
カボメティクス 79(24.3%増)

ニューロサイエンス
バイバンス 5(6.2%減)
トリンテリックス 82(50.8%増)
インチュニブ 60(16.6%減)
ロゼレム 84(28.5%減)

その他
アジルバ 729(4.5%減)
ロトリガ 167(48.8%減)
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(3)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー