武田薬品 ヒト免疫グロブリン製剤・献血グロベニンーI静注用を出荷停止 他社で代替、輸入量増加も検討
公開日時 2025/11/04 04:54
武田薬品は11月4日までに、人免疫グロブリン製剤「献血グロベニンーI静注用2500mg、5000mg」を出荷停止すると医療関係者向けに情報提供を開始した。25年10月分の出荷で出荷停止となる。日本血液製剤機構、KMバイオロジクス、帝人ファーマ、CSLベーリングが製造販売するヒト免疫グロブリンを効能効果に応じて代替使用することを求めている。代替終了時期は26年2月まで。同社広報は「原因究明と出荷再開に向けた準備を進めている」と説明。「26年2月を目途に輸入量増加を検討している」ことも明らかにした。
◎成田工場で定期的な製造プロセスの検証で確認すべき事象が発生
献血グロベニンーI静注用2500mg、5000mgをめぐっては、「成田工場で製造している血漿分画製剤について、定期的な製造プロセスの検証で確認すべき事象が発生し、原因究明を行っている」と説明。現在、原因究明と出荷再開に向けた準備を進めているとした。代替については、厚労省医薬局血液対策課と国内血漿分画製剤関連企業と協議を行い、決定。武田薬品のキュービトル20%皮下注、。日本血液製剤機構の献血ヴェノグロブリンIH10%静注、KMバイオロジクスが製造して帝人ファーマが販売を行っている献血ベニロン−I静注用、CSLベーリングのピリヴィジェン10%静注、ハイゼントラ20%皮下注。それぞれの効能効果において代替使用を求めている。
同社によると、人免疫グロブリン製剤は直近数年間、適応拡大などを背景に世界的に需要が伸びているという。同剤については23年4月に限定出荷を行うなど、供給不安が続いている。
◎乾燥HBグロブリン筋注用1000単位、「抗Dグロブリン筋注用1000倍も出荷停止
人免疫グロブリン製剤をめぐり、同社は乾燥抗HBs人免疫グロブリン製剤・「乾燥HBグロブリン筋注用1000単位「ニチヤク」」、乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン製剤・「抗Dグロブリン筋注用1000倍「ニチヤク」」についても出荷停止する。
「乾燥HBグロブリン筋注用1000単位「ニチヤク」は、品薄の状況が継続しており、限定出荷を実施していたが、26年1-2月に在庫消尽に伴う出荷停止が見込まれると説明。出荷を再開するまでの間、弊社が製造・販売を行っている「乾燥HBグロブリン筋注用200単位「ニチヤク」」の代替使用の検討を求めている。通常出荷は26年9月の再開を予定する。
一方、抗Dグロブリン筋注用1000倍「ニチヤク」についても品薄状態が続いていたために23年2月から一部医療機関で代替品を使用するよう求めていた。26年3月から在庫消尽に伴う出荷停止が見込まれると説明。出荷再開までの間、代替候補品の代替使用を求めている。代替品は日本血液製剤機構の抗D人免疫グロブリン筋注用1000 倍「JB」。通常出荷は27年4月を予定する。