【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

FRONTEOとオクラホマ大 AIで膵臓がんの新規標的遺伝子 2日間で抽出 KRAS変異株で増殖抑制を確認

公開日時 2026/05/14 04:52
オクラホマ大学医学部血液腫瘍学内科の武部直子教授は5月13日、FRONTEOのAI創薬支援サービスを用いた遺伝子解析で、すい臓がん対象の創薬標的候補17遺伝子を抽出し、うち6遺伝子で細胞増殖抑制効果を確認したと発表した。6遺伝子中、4遺伝子はすい臓がんとの関連性を報告した論文が一切なく、残る2遺伝子も既報の論文が1報のみで、いずれも新規性の極めて高い標的分子候補だという。共同研究を行ったFRONTEOの豊柴博義 取締役CSOは、「すでに異なるKRAS変異株での細胞増殖抑制についても確認している」と明かし、今後6か月を目途にメカニズム解析を行い、同時並行で動物実験を開始し、2027年初頭にアップデートしたいと強調した。また、その後は、導出型ビジネスモデルを想定しているとした。

◎FRONTEOのAI創薬支援サービス「DDAIF」活用 抽出した4遺伝子は新規標的候補

オクラホマ大学とFRONTEOのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」を活用した共同研究は2025年4月から始まった。ヒトの全遺伝子約2万個の中からすい臓がん治療の創薬標的候補となる遺伝子を抽出するというもの。武部教授によると、DDAIFを活用することで、既存の論文から疾患との関連性が報告されていなかったすい臓がん対象の創薬標的候補が17遺伝子見つかったという。さらに、6遺伝子からすい臓がん細胞の増殖抑制効果を認め、「うち4遺伝子はすい臓がんとの関連を報告した論文が無かった」と明かしながら、新規性の高い標的候補遺伝子であることが分かったと強調した。

◎「標的候補遺伝子を確認できた瞬間、研究室の空気が変わったのを鮮明に覚えている」

武部教授は、「論文にない新規の標的候補遺伝子をわずか2日間で4つも見つけたこと事体が非常に驚くべきことだ」と指摘。その後、これら遺伝子の検証実験を行ったところ、異なるKRAS変異株で細胞増殖抑制を確認したほか、KRAS以外の陽性対象との比較を行うことで、複数の細胞株で増殖抑制を観察することができたと説明した。武部教授は、「これらを確認できた瞬間、研究室の空気が変わったのを鮮明に覚えている」と強調。「いまではチーム全員がエキサイティングな気持ちで研究に臨んでいる」と強調した。

◎「今後は動物実験でさらにエビデンスを積み上げ」 一日も早く患者さんへ届けたい

武部教授はまた、「今後は動物実験でさらにエビデンスを積み上げ、臨床開発に向けて進めることで、一日も早く患者さんへ届けたいと考えている」と述べ、さらなる開発に意欲を示した。

◎FRONTEO・豊柴取締役CSO 「27年1月目途にアップデートしたい」

一方、FRONTEOの豊柴博義 取締役CSOは今回の共同研究について補足し、「非連続歴発見から得られた標的細胞について、第3者によるバリデーションを行い、細胞増殖抑制について検証した」と説明した。さらにコンビネーションの細胞増殖抑制が起こるメカニズムについての解析をすでに開始しており、26年11月を目途に実施するとした。さらに動物実験(In vivo)での細胞増殖抑制の確認も6月から実施し。27年1月を目途にアップデートする考えも述べた。

◎FRONTEO・守本社長「製薬企業への導出パイプラインの拡大、関係性構築を加速

FRONTEOの守本正宏代表取締役社長は、自社のAI創薬拠点「KIBIT AI Biology Lab」を開設し、今回のDDAIFを活用した共同研究を通じ、AI創薬事業を推進するとした。今後の展開について守本社長は、これまで重点領域としてきた希少疾患やすい臓がんを起点に、将来的には「素材、食品、化粧品など他領域への展開も視野に入れて取り組む」と強調。マネタイズの面では、製薬企業への導出パイプラインの拡大、製薬企業との関係性構築の加速を目指す方針を明らかにした。

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(18)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー