EMA Orlistat肝障害発現で検討を開始
公開日時 2011/09/29 04:00
欧州医薬品庁(EMA)は9月22日、抗肥満薬orlistat成分を含有する薬剤について、同剤の肝障害発現したことを踏まえ、検討を開始した。今後、リスク・ベネフィットを鑑みて、同剤の承認撤回や一時販売停止、あるいは承認事項変更などの必要性の有無について見解を発表する方針だ。
今回の検討は、すでに中央審査で承認済みのXenical(orlistat 120㎎)および同承認済みのOTC薬Alli(orlistat60㎎)のほか、すでに承認済みならびに各国レベルで審査中のorlistat含有医薬品を対象とする。
同剤の肝障害についてはすでに製品情報に反映されており、重篤な肝障害は希なケースと報告されている。そのため、今回の検討では、重篤な肝障害に関するエビデンスの強さ(確かさ)が焦点となる。
orlistat 120㎎については、2009年8月8日から2011年1月の間に肝障害が21例報告され、そのうち4例が重篤な肝毒性の症状を示した。、1997年から2011年1月の間では、orlistat と重篤な肝毒性の因果関係が否定できない症例が21例あった。しかし、報告数については、同剤投与患者が3800万人に達していることを考慮する必要があるとしている。
EMAのヒト医薬品委員会(CHMP)は、orlistatを含む薬剤の肝毒性出現リスクについての全関連データを検討する予定。